——3週目

「（……海に焼き魚が泳いでるってぇのはどういうことなんだろうな）」

いや、それを言ったら水中に謎の——人間をデフォルメしたような、手足と胴体がやたらと細く、頭だけが丸い、どこからか得体のしれないものを取り出す、人語を喋る——生物が生息しているというのも意味の分からない話なんだが。……今特徴を羅列しただけで、頭が痛くなってきやがった。

「（……やめやめ。ひとまずアレは忘れとく方が精神衛生上いい……あー。）」

結果だけ書いておこう。“シスル”の初冒険は成功だ。 　非常に順調。損害はなし。帰還して、ロザリネットや豚にも報告し、ささやかながらも祝われた。 　延々と水中をクロールで進み続けることしかできない悪夢を見た時にはどうなることかと思ったが、実践ではもちろんそんなことはなく、水中での身体制御も上手く行った。攻撃はかすりもせず、ノーダメージだ。……相手が何故か単調に突進してくるだけだったのもあるんだろうが。まぁ、喜ぶべきことだな。 　ただ、少々不満だったのは、めぼしいものが何一つ見つからなかったことだな。……前述したとおり、世にも珍しい『海を泳ぐ焼き魚』は見つけたが、それは意図的に除外する。捕まえたことすら軽く後悔してるぐらいだ。 　まぁ、俺の求めるようなお宝はもっと奥に行かないとないのだろう。流石に、入り口付近で見つかるようでは、持ち帰った所で地位も富も名誉もたかが知れてる。 　そんなわけで、冒険——探索だったか？ ——は、順調だ。まだ一人でも問題はないだろう。恐らくだが、キツくなってくるのは奥へ進んでいってからだ。それまでにはカモ 金ヅル 無償でお宝を献上してくれるお人好し ……仲間を見つけねえとな。 　っと。そうだ。仲間、と言えば。我ながら脳味噌がお花畑の奴が書いたとしか思えねえ手紙の反応が帰ってきた。 　俺もやったことだが、ボトルシップメッセージってのは、差出人に直で話しに行くというのがやはり早いらしく、餌に掛かったのが話しかけてきた。 　鏡の前でさんざん練習した「サプライズされた時の顔」が役に立ったな。 　人物考察は、まぁ、後にしよう。いつものように後ろのページに纏めておく。ってか今日はもうねみぃ。 　一つ言えるのは、あの手紙に釣られるんだから、きっと性悪説よりは性善説の方が好きなんだろうな。少なくとも、片方はお人好しか平和ぼけのどちらかは確実に入っていると思う。 　あぁ、そうそう。ロザリネットから、スキルストーンの合成方法を教わったんだった。シェルボックス——中にランダムでスキルストーンかチェーンジェムが入っている貝殻——も買って、そこそこ使えそうなモノも手に入った。 　その辺も明日はやっておかないとな。…………ねみい…… 　……今日はここまで。　……流石に水中は、体力を使うみたいだ。

「（……明日の昼飯は、何にしようか…… 　砂と泥と汚水以外ならなんでもいいんだが。 　……金が出来たから、美味いモンが食いてぇ。）」

布団に横になったまま、ちらり、と、部屋の中の荷物に視線をやって。

「（……あの“焼き魚”、美味いのかな……）」

ぼうっと天井を見つめ、やがて目を閉じて、眠りに落ちた。

シスルはアイテムNo.3 焼き魚 を使用した。

敏捷が3上がった！

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

シスルは、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。

——辺りは穏やかな潮の流れと、ちらほら入る光で暖かい。
まだまだ遺跡は先へ続いている……。

シスルはチャージを購入した。

シスルはTGシェルボックス(低)を購入した。

シスルはTGシェルボックス(低)を購入した。

シスルはアイテムNo.5 魔防 と、アイテムNo.6 スラッシュ を合成！

アイテムNo.5 魔防 はスキルストーンではなかった……。

シスルは敏捷を訓練した。
シスルは器用を訓練した。
シスルは器用を訓練した。
シスルは器用を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。
シスルは器用を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。

シスルはアイテムNo.8 ダブルアタックを私有化！

目的の決定