どうにも調子を崩されてばかりだとジロウは思う。 潜水艇に強引に乗り込んできた少女は 「私はＺ姫だ。おまえは何て言うんだ？」 と名乗った。 それに、リュウグウの微妙な立場を斟考え、名乗るを躊躇ったジロウは 「…リュウグウの使いの者だ。」 と返した。 「ふーん……リュー・グーノ・ツ・カイか……変わった名前だな。 それに長ったらしいから……そうだな、ツ・カイでいいか。」 「ツ・カイ、よろしくな♪」 それから、ジロウの当面の偽名はツ・カイとなってしまたのだった。 そんな少女が海底探索協会から得た路銀での買出しに出たタイミングで、ジロウ、Ｚ姫が言ったところによるツ・カイは仲間との通信を取ることにした。 「女を連れ込んで、隣接の街から逃げ出した！？」 通信先の男の声はオーバーさがあったが、実際に落胆の気持ちも含んでいるかもしれない。 「こちとら、まともに上陸して、うまいこと事穏便に先方の議会と接触するのに骨を折ってたってのに……随分楽しそうじゃねえかよ。なあ？」 軽口めかしているが、実際に彼自信は仕事に対しては真面目にあたる男だ。 「頭が痛いからあんまりそういう言い方しないでくれよ……」 ジロウは頭を抱える仕草をした。 Ｚ姫と名乗る食い逃げ犯の少女に順調な道程を崩されてから、海底探索協会への冒険者登録を済ませ、最低限のこの世界の通貨での路銀の確保が出来、 ひとまず次の外交を行うべき町を思案する必要があった。 リュウグウへの問い合わせを行おうとしたが、通信状況の都合が悪く、 近隣の町への潜伏した仲間とは通信が出来たので、状況の共有を行っていたのだった。 通信相手は景虎という名のジロウの同年代の同僚である。 軽口やシニカルめいたことを口走る事も多いが、ジロウは信頼を置いている人物である。 「まあ、お前の事だから故意じゃないっつーのはわかるんだがな。」 艇のコンソールに投影されている彼の顔は少し思案する様子を見せた。 「よりによってリューグでやらかすとはな…」 「リューグ？」 「あの町の名前だ。知らなかったのか？」 「……」 まったく仕方ねえやつだな、と小さく呟いた景虎の口端は吊り上がっていた。 面倒見は悪くない奴だ。 「そうか。あの町だがな……どうやら隣国とは鎖国状態らしい。しばらく近寄るのは避けておいたほうがいいかもしれんな…」 「……」 「一応、探査用のナノマシンの散布はしてきたんだろう？」 「ああ。だが、どうやら、同期を取ろうとするとムラが大きい。指向性を持たせた調査を命じるのは不可能だろうな。 恐らく、こちらの技術と思われるもので結界のようなものが張られていたが、それが固有周波にも干渉してきているのかもしれんな。」 リュウグウへの通信不調も関係してるのかもしれない、とジロウは思った。 「魔法ってやつか？」 「知っているのか？まあ、恐らくそうだろうな。工学的な技術水準はさほど高いとは思えなかったが、我々の技術でもあれを作るのは容易ではなさそうだった。」 どうやら、あちらにも同様のものがあったらしい。この世界では比較的一般的なものなのかもしれない。 「とはいえ。現状リューグに対してはこれ以上の手は打てないな……別の町に向かったほうが良さそうだな。」 「その件でな、周辺の町と接触状況を共有してほしくてな……」 「お安い御用だ。情報を送る。」 「感謝する。」 「まあ、誰にでも間違いはある。次は期待してもいいんだよな？」 景虎の言葉には、激励というよりも、こちらを案ずるような口調だった。 「ああ。任せてくれ」 ジロウは少し自分が気丈に振舞っている自分に気づきいた。 通信を終了したジロウは、潜水艇の少し窮屈な座席にもたれかかり、小さくため息をついた。 「次はちゃんとやらねえとな……」 小さく呟いたときに食料の調達に行ったＺ姫の声遠くに聞こえた。

ツ・カイはアイテムNo.6 シェルボックス（低） を使用した。

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

ツ・カイは、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。

穏やかな潮の流れに、時に身を任せ、時に原生生物を相手にし、
確実にテリメインの探索へ進んでいたツ・カイは、
前方に大きな泡に包まれたドーム状の建物を発見した。
近くの岩に、建物の名前が彫られているのを確認できるかもしれない。

	テリメイン最先端探索拠点

……どうやらここが、海底探索協会の最先端拠点らしい。
これよりドームから先は、いよいよ未知なる海域が待っているのだろう。

誰も見たことのない財宝。
誰も発見したことのない未知なる生物、海底遺跡。
己の力をつけるため、願いを叶えるため……。

様々な目的を胸に秘め、各地から集まった探索者たちは旅立っていく。

テリメイン最先端探索拠点は、そんな夢を秘めた冒険者たちに、
最先端のスキルストーンやチューンジェムを揃えて販売している。

この拠点より先は、海底探索者協会の目が届かない海域だ。
【海賊】と呼ばれる者たちに襲われる危険性もあるかもしれない。

未知なる海域へ足を踏み入れる前に、ここで十分に準備をしてもいいだろう。

ツ・カイは周辺を探索…………。

焼き魚を手に入れた！

ツ・カイはSSシェルボックス(低)を購入した。

ツ・カイはSSシェルボックス(低)を購入した。

ツ・カイはTGシェルボックス(低)を購入した。

ツ・カイはTGシェルボックス(低)を購入した。

ツ・カイはTGシェルボックス(低)を購入した。

ツ・カイは体力を訓練した。
ツ・カイは器用を訓練した。
ツ・カイは精神を訓練した。
ツ・カイは体力を訓練した。
ツ・カイは器用を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。

ツ・カイはアイテムNo.7 ドルフィンキックを私有化！

ツ・カイはアイテムNo.4 焼き魚を私有化しようとしたがスキルストーンではなかった。

ツ・カイはアイテムNo.8 クロールを私有化！

目的の決定