▲月♯日　—風速１、曇り、やや波がある—　　　　　記録者：デヴィッド 日誌の文字が小さすぎると副長に叱られた。今日から、気持ち大きめに記すことにする。 だいたい文字の大きさなど、どうでも良い話ではないか。あいつは人間性が小さすぎると思う。 さて、本日は遺跡探索初日である。 探索場所となるセルリアンは、世界滅亡後の現在もやっぱり穏やかな海と呼ばれているらしい。 かつては避暑地、避寒地として名を馳せていた海域だ。季節に関係なく温暖な気候を維持している。 未知へ挑むべく気炎を上げていた探索者達も、みんな優雅にバカンスを楽しんでいる様子。 ……彼らは何のために探索者協会へ登録したのだろう。 まったく！　今の世の探索者たちの腑抜けぶりたるや、なんと嘆かわしいことか！ もちろん、我らが愛しき娘たちは遺跡探索へ向かっている。フッ。 そう、娘"たち"なのだ。約束を違えず合流を果たした娘の友たる２人には心より賛辞を贈りたい。 １人はフェリル＝ストラテス。オレンジ色の髪をなびかせた元気を絵に描いたような少年。 彼は、探検船"アルミラージ号"が名実ともに認める現船長である。 少々思い切りが良すぎるきらいもあるが、なに、船長とはそれぐらいであって丁度良い。 １人は海月零零伍號。クラゲである。いや、何を書いているか解らないかもしれないが本当だ。 海月族という種族らしく、人間のような姿をしている。だがクラゲだ。娘が刺されて泣いていた。 我々が生きていた時代には交流がなかったが、彼らのような種が海にいたというだけで心が躍る。 計２名。地上の海で出会い、少しの冒険を楽しみ、海中の地で会おうと約して別れた仲間たち。 ああ、仲間とは良い響きだ。１人ではないことに我ら頑迷の使徒がどれだけ勇気づけられたことか！ 我らが愛しき娘よ。願わくばその最も大切な宝物だけは、決して見失わないように——。 「ふえええ、ないすばでーなお姉さんの頭がナマコかも！？　もうナマコ、食べられないかも！」

ノーチェはアイテムNo.5 焼き魚 を使用した。

敏捷が3上がった！

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

ノーチェは、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。