「なんとも惨たらしい、汚らしい。そして醜いです事。 成程。此様に哀れな末路も或りましたか」 深い微睡みが今にも死の淵に堕ちようとしていたそのとき。 声はまるで光のようにボクの意識に差し込んだ。 「あら、動きましたわ。藻屑のような様をして、まだ今生にしがみつくのですね。御可哀想に」 可憐な声を掴もうと瞼を持ち上げる。 黒いドレスの彼女は見たこともないほど瀟洒で、気品に溢れる姿をしていた。 ボクのところにカミサマの遣いはやってこないから、彼女はきっとアクマなのだと、そう思った。 「どぅれ…ふふ。触れても好くてよ？此の手は既に汚れて居りますので」 黒いアクマがボクに手を伸ばす。 細く、白い指が差し出されたけれど、許されたその手に触れることはできなかった。 「まあ。貴方のような滓がわたくしの慈悲を拒むのですか。何とも傲慢な…。 其れ共、既に腕すら上がらないのかしら。 可愛いこと…生まれたばかりの赤ん坊でも、伸ばされた指を掴む程度の力は或りましてよ？」 彼女がボクに笑いかけている。 最期に迎えに来てくれたのがこのアクマであったことを、ボクは嬉しく思った。 「うふふ…好いですこと？貴方には二つの選択肢が或ります。わたくしが差し上げるのです。 ひとつ。 此のまま哀れに朽ち果てようとも、尊厳を持って主の御下に召される事。 ふたつ。 魂ごとわたくしに捧げ、権利を放棄し、汎ゆる命の底辺として惨めに生き延びる事。 どうぞ、御撰びになって？」 何を言われているのかはわからない。 ただ熱に浮かされるように、薄い意識の中で僅かに首を縦に動かす。 「なんと生き汚い…好くってよ。そうでなければなりませんわ。 で或れば、貴方は今よりわたくしの子飼い。悪いようには致しませんわ。 其れでは、そうね。契約を交わしましょう。 ——『貴方は以後の人生、誰も信じず、誰も愛してはなりません』」 彼女の唇から紡がれるナニカが、黒い紐になってボクの口に入ってくる。 「うふふ、宜しくて？可愛がって差し上げますわ、醜い子」 そう言って、彼女はボクの額にくちづけをした。 . . . . .

	バル
	「——夢を見てたのかい、ヘズ」

	ヘズ
	「…どうやらそうらしい。こんなこと、どれだけ久方ぶりだろうか」

	バル
	「お師様のことかぁ？」

	ヘズ
	「わかるのか」

	バル
	「オレサマはお前で、お前はオレサマさ！ だが、あんま深く考えんな！ 本来『そっち』はオレサマの領分だ。 お前は今と、現実の方に意識を向けろ！」

	ヘズ
	「よくわからないが、お前がそう言うのならそうしよう」

	バル
	「ああ！」

	ヘズ
	「…なあ、バル」

	バル
	「なんだ！」

	ヘズ
	「お師様は、何故居なくなってしまったのだと思う」

	バル
	「知らねぇよ、あんな気紛れなお人の考えることは！ ツマんねぇ深海と、ツマんねぇお前に飽きたんじゃねぇのか！」

	ヘズ
	「…オレは、彼女を追いかけていていいのだろうか」

	バル
	「よーするに暇を出されたんだ。 オレサマたちが何をしようがもう自由ってことさ！ だったら、お前の好きにすりゃあいい。お師様を探すのも、お前の自由だろうよ！」

	ヘズ
	「…そうか。ありがとう、バル」

	バル
	「礼はいい！クジラ肉のステーキを寄越しな！！」

	ヘズ
	「ああ。出発しよう」

ヘズはアイテムNo.5 シェルボックス（低） を使用した。

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

ヘズは、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。

穏やかな潮の流れに、時に身を任せ、時に原生生物を相手にし、
確実にテリメインの探索へ進んでいたヘズは、
前方に大きな泡に包まれたドーム状の建物を発見した。
近くの岩に、建物の名前が彫られているのを確認できるかもしれない。

	テリメイン最先端探索拠点

……どうやらここが、海底探索協会の最先端拠点らしい。
これよりドームから先は、いよいよ未知なる海域が待っているのだろう。

誰も見たことのない財宝。
誰も発見したことのない未知なる生物、海底遺跡。
己の力をつけるため、願いを叶えるため……。

様々な目的を胸に秘め、各地から集まった探索者たちは旅立っていく。

テリメイン最先端探索拠点は、そんな夢を秘めた冒険者たちに、
最先端のスキルストーンやチューンジェムを揃えて販売している。

この拠点より先は、海底探索者協会の目が届かない海域だ。
【海賊】と呼ばれる者たちに襲われる危険性もあるかもしれない。

未知なる海域へ足を踏み入れる前に、ここで十分に準備をしてもいいだろう。

ヘズは周辺を探索…………。

酢の物を手に入れた！

ヘズはSSシェルボックス(低)を購入した。

ヘズはSSシェルボックス(低)を購入した。

ヘズはTGシェルボックス(低)を購入した。

ヘズはTGシェルボックス(低)を購入した。

ヘズはビート板を購入した。

ヘズは敏捷を訓練した。
ヘズは敏捷を訓練した。
ヘズは器用を訓練した。
ヘズは器用を訓練した。
ヘズは器用を訓練した。

呑光の石 に 命中力強化 を実行！
呑光の石 の 物理命中、魔導命中 を 1回強化した。

冥海の衣 に 回避力強化 を実行！
冥海の衣 の 物理回避、魔導回避 を 1回強化した。

目的の決定