# 1 「スクリュー？」 彼女は初めて聞いた単語に疑問符が浮かんだようだ。 "水中での推進力を確保するもんだ。だが危ないものでもあるから髪やヒラヒラしたもんは気をつけろよ？" 「はーい！！ナギリ様ー！！」 そう言って彼女は再び海に戻っていく 「なぁ、これ回すの難しいぞ？こうか？あ、こうかー！！うおおおお進むぞー！！！」 なんてはしゃぎながら３０分 「ぜぇ…ハァ…なぁ、これしんどいぞ…」 "ま、沈みたくなきゃ頑張れ" 声色からはわからないがどこか楽しそうである。 「っと、そろそろ協会にも行かねぇと。」 -------------------------------------------------------------------- もう少しで協会というところで幾つかの張り紙が張り出されていて目に留まる。 仲間の募集や催し物など内容は様々だ。仲間かーとぼんやり流し見しているとある記事に目が止まる。 ●探索同行者募集（２名様）● テリメインでの探索を行うにつきまして 同行してくださる方を２名募集しております。 海賊行為などは考えておらず純粋に遺跡探索をメインに 動向してくださる方の募集になります。 探索につきましても無茶なノルマや探索行為などの 堅苦しい制限は無くそれぞれの目的などに応じ、 力を合わせてやっていけたらなと思います。 お目に止まりましたら、下記宛へとご連絡下さい。 （恐らく、協会の周辺で暫くは居ると思います） 海底探索協会 登録済冒険者　藜　八代 正直な所大所帯というのは苦手なのでこの人数ぐらいなら丁度良いのかもしれない。 それよりも何も堅苦しいのが必要ないという文面に惹かれたのであった。 ララはそもそもこの海底遺跡に眠る財宝などには興味が無いのである。 なのでそのようなノリの募集は避けていたのだが…ここなら気が楽にやっていけるかもしれない。 同行者がいればより深くまで進めるかもしれない。さすれば彼女の目的でもある大精霊に会うことも可能かもしれない。 張り出されてどれぐらい経ったのかはわからないがまだ近くにいる可能性はある。 「聞くだけ聞いてみる…か」 "…"

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

（あなた）は、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。