ここは——島か？


穏やかな海。
鮫や虎みたいな獰猛な生物もいない。


何が目的で——は、俺を——
この程度なら——




落ち着いて——



必要なのか——



もう大丈夫——



これで——



いないとこの島は——

断片的でしかなく、朧気にしか思い出せない。
寝ぼけ頭だから、なのか。
それとも——




あれこれ思考しているうちに、一人の女性が駆け寄ってきた。
グレンダ・エイル・カールライト。
理由あって共に旅を続ける一人だ。
あと二人？と数え方に困る者もいるが、今はいない。


彼女は病人を見るかのような目で心配そうな表情を見せる。
どうやら憑かれたような顔でもしていたのだろう。

「問題ない」の一言を返すと安堵を浮かべ、そのまま料理の途中だったのだろう、戻っていった。
冷静に考えれば包丁片手に駆け寄ってくるなんて恐怖以外の何者でもないのだが。




——恐怖。恐れ慄く事。
何に怯えていたのだろうか。
今みたいな顔を、俺はその時もしていたのだろうか。



——9th.記録開始。