ま。準備は整っておらねども、満開散らしの一戟まじえてみようかや

……あれが……王様……？

そうね……いつか起こるのかもしれない。それが明日か、一ヶ月後か、一年後か、十年先か……。

一言で言えば、『目は口ほどに物を言う』って人かしら。

すごく無口なのよ。
でも、彼女の目を見れば全部わかるの。
あと、本当に喋らないわけじゃなくて……大事なことをあたしに教えてくれる時、話してくれる時はとても饒舌。
……こうして手紙を貰った時、彼女が実はおしゃべりが大好きな人だって良く判ったの。

もちろん彼女が無口でも、お互いの考えや心は、もうすっかり通じあってるとあたしは思ってるわ。
きっと、アリスもそう思っているんじゃないかしら。

何か手がかりがあるといいのだけどね……。
もしわかったら、教えてね。遊びに行くわ、必ず。

そして何時でも、いらしてね。
その時がきっと、最高のタイミングだわ。

・・・今回は少し性質が違うのですが・・・傀儡政権は珍しい物ではありませんね。今回の件は、
実質空位だと思って良いと思います・・・。

全てを知る必要はないと思いますが・・・やはり知りたいものだと思います。自分やその周囲に
何が起こっているのか。

指導者あるいはまとめ役は必要なのですが、それを支援する人が現れて、対立する人が現れて・・・
全員が同じ地位にあるのは難しいでしょう。既得権の放棄も不可能でしょう。

ふふ。リオンならば、多少のことは何とかしてしまいそうに思うがの。
しかし悩みの解決は、誰かが代わりにやってくれたところで何も変わりはせぬ。
難事は自分で乗り越えねば解決せぬのじゃ。そなたはそれを、そっと支えてやれば良いのさ。

ほほう、恋人とペットと愛人がどう違うのか、説明して貰おうか。
ひとつ先に教えておこう。別に真似をする必要はないが、の？
表向きは温厚な夫婦に見えて、夜は片方が首輪を嵌めて鞭で打たれて悦ぶ奇特な人種もいるのじゃぞ。

どの先生が、そう云ってたのじゃ？
というか、兄弟同士の恋愛がダメとかいいながら、男性同士の恋愛は構わぬのかや……。
遺伝的に問題が起こせないのも問題だと思うのじゃがなぁ。

異種族の壁もわりと危険をはらんでおる気もするが。
まぁ、確かにの。相思相愛の２人の間に割って入るなど、野暮の極みなのは同意しよう。
じゃがの。妻や夫が２人以上いても構わない、という国は案外と多い。
あるいは、家庭さえ守れるならば外で何をしていようとも構わないと割り切る者もな。

好きだからこそ、か。……その気持ちは、よう理解るともさ。
リオンは忠犬じゃのう。その一途さは、時々羨ましくおも思うぞえ。

ああ、そういうことじゃな。儂らからみれば、彼らの生き様は不器用の極みじゃろう。
されど、それで満足しておるならば介入するのは儂らが野暮、というものよ。
とはいえ、結果的にはこっちの倫理を押し通して蹂躙してしまったわけじゃがな。
猿どもも、あれに懲りてもう表に出てこず、森の奥でひっそり暮らしてくれれば良いのじゃが。

ほう、リオンは泳ぐのは得意じゃったか。
しかし大海は、周囲に陸地が視えぬ場所の方が広かったりするのじゃぞ。
どこまで泳げば陸に辿り着けるのか解らぬ状態で、心折れず泳ぎ切る自信はあるかや？

呱々。リオンも、だんだん聴くだけでは満足出来なくなってきたようじゃの！
ところでその知人や友達は、訪れた土地の悪い部分なども教えてくれたかや？
旅人は悪い話より良い話を好んで口にするからの。美味しい話には裏がある、という原則は忘れてはいかん。

枝葉を伸ばす植物には、動物に解らぬ苦労があるのじゃぞ？
大樹ばかりが陽光を独り占めして、満足に育てず枯れてしまう草木も世にはある。
しかも動きたくとも動けぬ。リオンは山野を駆け巡る楽しさより、植物のような生き方が好みかや。

うむうむ。良かったのう、これでリオンも立派なお母さんじゃ。
なんなら、その精霊に名前を付けてやってはどうかの。
うまくコミュニケーションが取れれば、いつかはそなたをママと呼んでくれるかも知れん。

まあ、ひとつには儂の番うてきた相手は今まですべて人間しか居なかったから、かのう。
儂も狐の姿でヒトと交わるわけにもいかんし、人型ならば生まれるのは人の形ということなのじゃろ。
もし狐で生まれたならば、人間の夫が愛情を注げなんだかも知れぬしな。
そのあたりは、純粋な獣人たちが羨ましく思うこともあるぞえ。彼らならば偏見も無さそうじゃからな。

儂も精霊に詳しいわけではないがの。
例えば水じゃ。水は、酸素と水素が結びついて生まれる物質という話は知っておるかえ？
つまり水の精霊は、大気の精霊が数種類融合して生まれる。あるいは分離して元に戻ることもある。
そういうことではないかのう。ま、難しいこと考えずともそういう存在だ、と思っておけばよかろ。

リオンの中の樹木の精霊も、リオンという身体に溶けておるようなものじゃろうしな。
そも、精霊は『扱う』ものではなく『助けてもらう』ものなのかも知れぬよ？
違う生命体なのじゃからな。強制で仕事をさせるより、自ら進んで仕事をしてくれる者の方が心強かろうて。

むう。儂もそう思うが、笑いすぎじゃろう……。
リオンも一度、道祖神のアルバイトをしてみれば良いのじゃ。
狼も山野を護る神に向いた種族じゃからな。最近は種も少なくなってきておるようだし、歓迎されよう。

ふふ、食べられたくなくば早う隠さねばな！
しかし髪に押し付けても同化するものではあるまい。
ほれ、狼姿から人化する時はどのような感じで変身しておるのじゃ？

なに、チョコはダメなのか。勿体ないのう。
じゃあ飴玉にしよう。なぁに、一人で頑張るより熟練者に導いて貰う方が早く上達するというものよ。
組手だと思えば良いのじゃ。さあ、口を開けてスタンバるとよいぞ。

ほほう、何を想像したのか気になるなぁ。
ちなみに花粉はな、雌蕊が分泌したねばねばに寄り添ってどろどろに溶けて吸収されるのじゃ。
こう、な？　触れるに触れられない生殺しの位置から大切なものを飛ばして……。

さて、儂が知っておるのは儂がかつていた世界の話にしか過ぎぬ。
されど儂が封印され、意識のない間に拐かされた地に、同じ名前の組織があるというのは偶然じゃろうか。

悪夢はより形を歪に変えて、世界の裏側に枝葉を広げるように蔓延っておる。
リオン。そなたの方が詳しいのではないかや？
どうやら儂のことは何も聞かされておらぬようじゃが、そなたが"ここ"に居るのは偶然ではあるまい。

…さぁ、どっちだろう。
僕は存在するだけだったからね…元は。
どっちでも良かったのかもしれない。
ただ僕の知識を得て、力を持って、
そして堕ちていく様を見続けて、
『ああ、こういうものか』とは思ったかもしれない。
…それが怒りや諦念となって、今の僕が居るのかもしれない。


…リオンは法則を変える法を知りたい？

…僕の物語、ね。。。
僕は今まで”存在した物語”を読み聞かせ、
または、"他の物語"を読むだけの存在。
そんな僕には物語なんて存在しないさ。
そして……ううん、何でも無い。

それじゃあ、はじめましょうか

この戦いの先に、あの組織に鉄槌を与えるモノになるというのなら、私は、勝たなくちゃいけない。
……私の事を頼ってくれるあの子たちの為にも

ふむ。……話し合いで解決すればいいものを。
仕方ないのう。——ほれ、掛かってくるがよい

……大丈夫。必ず勝って君のためのネクターを手に入れてあげる。

実技指導はなかなかやらないのだがね。

・・・・・・・ネクターよ、力を。