「俺は……俺は、そうですね。シエミさんに付いて行ってもいいですかね。特にやれることもないんですけど……」

私はふっ、と鼻で笑ってみせた。

「相変わらず適当なやつだな」

その適当な答えに救われた気がしていた。
世界でたったひとりでさえなければ、道など後からいくらでも見えるもの。

支部長とマル、モックと私か。
この離別がお互いにとっていい将来を切り開くことを願ってやまない。

「……ああ、メシくらいは作りますよ」
「ふふ、では任せたぞ」



◆　　◆　　◆



【VVG最後の宴会、そのお品書き】

・はまぐりとあさりのコンソメスープ
・南瓜娘（今回の敵）が落っことしたカボチャつかったパンプキンミートパイ
・ほうれん草とアボカドと白身魚のサラダ
・サーモンと大葉の胡麻まぶしフライ
・アジフライ
・牛脂の山椒甘辛煮
・切り干し大根の炒め
・トンポーロウ
・舞茸とカリカリじゃこごはん
・レモンアイス
・ホージ茶..

以上、モックのお手製。以下、私の虎の子。

・ホオズキのワイン
・エンジェル・ライの蒸留酒
・ピアノサフランの酢漬け

どれも少し古くなってしまったが、まぁ食えん事はない。
支部長と今後について大いに語らった。
こうして会を開いて飲んだのは何時ぶりぐらいだろう。
そういえば、何か忘れている気がする。



轟音響く。煙幕が立ち上る。
後ろを振り返ると、ちょうどモックのような影がすっ飛んでいった。

私は酔えないんだった……。

大剣を放り出し、構えを取らない。