小さな声で告げられた言葉には静かに頷いて

語られる言葉を黙って聞いていた。
それから一つゆっくりと頷いて。

聞きながら黒い腕は気になる様子。
時々ちらちらと様子を伺っているが、上下する関係で掌が見えようものならぴゃっと逃げかけたりしている。

もごもごと口を噤んで、ぴょんとまた耳を跳ね上げた。

流石腐っても龍といった所か。斜め上の価値観と返答——だったかもしれない。

と、ころっと変われば首を傾げた。

ある意味では、と。含みを持たせる事は忘れない。
「元の世界では火なんか扱ってなかったんだ」「だから余計不慣れなのかもしれないね」と肩を竦めながら、やはり完全にに委ねる——という訳では無さそうだ。
「ま、駄目なら逃げるだろうし」と“臆病な方”——キーの方を割と放置プレイ。

とか一瞬見えた気がする叫びも放置である。




龍は少しだけまた息を吐いた。

まるで、その笑みに全てを覆ったようだ———だから、

演技掛かって外さない、仮面の男——と。