珍しくカカをレグルスが追い回している。

あれから何日かして、ジィンリエール修道院に手紙と小包が届いた。
差出人は、「グレイマン主治医　ユディタ」とある。
小包を開くと、丁寧な字で書かれた手紙と、何種類かの薬が入ってい。

--------------------------------------------

グレイマンへ。

ご機嫌いかが？天候が安定しない中、体調はどうかしら。
薬が出来たので予定通りお渡しするよ。

・貧血の薬（お茶。葉っぱが入っているのでティーカップに大さじ1杯）
　血中の鉄分、その他の要素、人が持つ自然魔力を活性化する。
　夜就寝前に飲むこと。翌朝から一日効いてくるはず。
・吐気止め（香木。なんか流木にしかみえないやつ）
　おそらく時たま言いようのない吐気に襲われるだろう。
　この点に関しては気力・精神的負担が関わっている。エンブリオからの直接影響やも。
　薬を吐いてしまうこと・胃液で内臓が傷つくことのほうが面倒なので多めに。
　吐気を催したらこの木を、もしくは削ったものを携帯して匂いを嗅ぐといい。
　タバコにつけてもいいかもしれないね。（やったことないからわかんないけど）
・胃腸の薬（瓶詰めの液体のもの。浸かってる石と花は食べられません）
　胃液の量を抑え、内臓の表面を保護・修復する。また食欲を適度に保ち、腸を整える。
　コップ一杯の水に2、3滴垂らして服用してくれ。
　食後よりは食前かな。まぁどっちでも問題ない。
・肺・心臓・肝臓・脾臓の薬（黒い仁丹状のもの。今回の主役）
　蝕まれている箇所をそれ以上広げないためのもの。完全に止められるかは怪しい。
　3粒毎食後に飲むこと。面倒なので調合して一個にした。←これすごいことだから褒めるように
　面倒だったら上の薬と一緒に飲んでいた。

■頓服
・痛み止め（緑の錠剤）
　主に内臓の痛み、不快感に効く。
　外傷的な怪我には効果は薄い。痛い、我慢できないときに服用のこと。１錠使って。

・痛み止め（強）（赤の錠剤）
　あまり使用はおすすめしないが、もしもの時などに使用してくれ。
　（例えば物理的に殺されそうになったとき……病のせいで動けないから死んだ、なんて笑えないから）
　一時的に体内の気のめぐりを活性化させ、現在蝕んでいる場所を「ないもの」として認識させる。
　一粒口内で噛み砕けばすぐに効果が現れるが、30分、すごくもって1時間程度。
　その後は反動で体中に激痛が走る。主に骨のきしみと、神経が直接痛む。
　病気には影響はないだろうが、これを多く服用するとそりゃあ少しは寿命が縮む。
　タチの悪いお守りだと思って持っていて。

追伸
カミユに会ったよ。君の名は出さなかったけれど、えらく心配して、狼狽していた。
わたしは貴方をまだ計りかねている。よかったら今度、薬が切れた時にでも遊びに来てくれ。
グリゴリの具合も知りたいからな。あ、グリゴリの件については何もわかってないですゴメンナサイ。