『まだ　迷っていらっしゃるんですか？』

　エンジェルちゃんにそう言われたのは数日前。

　あたしは、ずっと一人で一揆の手伝いをしていて、誰とも組まずにここまでやってきた。
　だからだろうか、どのエンブリオを中心に育てるか決めないまま、ずるずると今まで来てしまったのだ。

　誰かと組んで行動すれば、自然と自分の役割は決まり、育てるエンブリオもそれに沿ったものになる。
　または、他の世界から来た者ならば、自身の能力に適正のあるエンブリオを育てることになるかもしれない。

　あたしは、何でも出来る。
　元いた世界でなら武器と魔法を同時に振るう事だって出来る。
　だから、この世界でのあたしはどうあるべきなのか、それを決めることが出来なかった。

　一人なら何でも出来たほうがいい？
　それとも、攻撃は最大の防御ともいうし、攻撃面に力をいれるべき？
　種類だっていくつも選べるわけじゃないから、何かに絞った方が……。

　何でも出来るから、何も出来ない。
　ふらふらと、優柔不断。

　でも、やっと決めたの！

目を瞑り、少しだけ先のことを思い浮かべるているように。

素直になれないお年頃。