兵舎を進むと、兵士を連れた眼帯をした男の人と遭遇した。
　兵士さんがラケルト隊長って呼んでたから、隊長さんなんだろう。

　ラケルト隊長さんは、なんで兵舎に来るかな〜？みたいなことを言ってた。
　言われてみれば兵舎に突撃っておかしいのかも！
　でも、元を攻撃すれば、戦力は結構削れると思うし、油断してるだろうから、叩きやすそうだし。
　そう考えると、間違ってない気もするんだけどなあ。
　軍師ルリアンナさんはどう考えるんだろう。

　すると、隊長さんが両手に剣を構えた。そしてニヤリと笑って一言。
『……楽しませてくれよ。』
　二刀使いなのかな。かっこいいね〜。
　って思ってたら、その剣をぽいっと捨ててしまった。

　……あれ？


　後は全部部下の兵士さんに任せてしまったみたい。
　そのやる気のなさそうな態度を見ていたら、ビブリオバベルさんの言葉を思い出した。
　ああ、この人の事なのかな〜と。

　ただ、兵士さんはそれなりに真面目にあたしを撃退しようとしていたように見える。
　今のあたしの相手にはならなかったけれど。
　劣勢になったら、隊長さんもあっさりと逃げていってしまったけど、ここで何をしていたのかな。

　隊長さんの本当の武器って何なんだろうね。
　この先進んでいけば、また戦う事になるのかなあ。

旅の話をせがむように、疑問をぶつける。

ふと脳裏によぎる、「アリス」と言う同じ愛称を持つ事実。
あわてて首を振ってかき消す。

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