———小さな手帳に文字が綴られている

ミス、森の生物の強さを見誤ったこと2回
不運、好戦的な参加者と居合わせたこと
成功、相手の読み外し狙った技を使うこと
失敗、相手の手を読むこと
根本、言われたとおり、装備の性能

短い上に文が簡潔だが日記か手記か、そんな感じのものらしい
そこまで書き込み、岩に座ったエスが溜息をつく
「はぁ、ほんっと散々ね」
ペンをくるりと回し、呟くエスの隣ではミカーラが
「まあ、山賊にでも遭ったと思って忘れるのがいいんじゃないですー？おねーさんの占いにもあったじゃないですか、"アクシデントはあるけど落ち着いて対応して"って。早速役に立ってくれましたよ！」
「…まあ、確かに。取られたのがお金とネクターの力だけで済んだのは幸いかしら。たんぽぽとかつくし、取られたのも居るけど」
殺されていないのは確かだ。そこは確かに儲けものか
テントの中で示されたカードのようにまだ落馬はしていない
なら——
「まず馬を立て直して、その後は…」
「その後は？」
「そのうち仕返しに行くとしましょうか。やられっぱなしって嫌いなの」
「はいー！？」
首を傾げるも、エスの発言に素っ頓狂な声を上げるミカーラ
あんなのにはもう関わりたくないのが本音だ、というか堂々と言った。
「もうあんな怖い人たち…人ですらないのいましたよね！？怨霊みたいなの！？あと天使か戦女神か！？もう遭いたくないですよ私！？」
「そりゃ私だってもう変な奴等に襲われたくはないわ？」
「どっちなんですかー！？」
「そのうちやり返しに行きたい、それだけよ」
「会いに行くのは変わらないんですか！」
「ええ、きっと」
orzな体勢で沈み込むミカーラであった

「ま、いいじゃない」
「なにがですかー、えすー…」
さらりというエスに膨れっ面のミカーラ
「帰るまでの楽しみが一つ増えた、そう思いましょ」
「わたしは楽しくないですよー！？………まあ、エスが挑むんならわたしには止めれないし、その時は全力で支援せざるをえないですけど」
「そういうこと。その時はきちんと力を貸してもらうわ？その代わり絶対にあなたには触れさせないから。それだけは安心なさいな」
「エスの怪我も心配なんですよー？」
「なるべく少ないように装備類を見直していくしかないわね」

挑むこと自体止めてくれればいいのに。平和に一揆ごっこしてればいいのに。割と真面目にそう思うミカーラであった