[SummerVacation]
「ふー、昼間はいっぱい遊びましたねー、エス」
日が落ちてすっかり暗くなった浜辺でぐーっと腕を伸ばす私はミカーラ
エスヴィア・バルトゥーニェクっていう少女？と契約したエンブリオ……って言う扱いになるみたい
元々は別の世界の住人だったんですけどねー。エスと一緒にはじき出されちゃったみたい
それでエスは幼い姿に、私は半霊体化してエンブリオに、この世界に落とし込まれた、ってことでしょーか

まあそんな事は割とどうでもいいのです！特に今日はさまーばけーしょんですから！
普段ぶっちょーづらなエスを楽しませてやるのが私の仕事な気がするのですよー！
水着姿のエスの胸を鷲掴んだ時のエスの顔は…くすくす、いい表情でした。………後で紅月で殴られましたけど

「それにしても夜の海って雰囲気違いますねー？こう、人気がなくって、波の音がはっきり聞こえて」
「ええ、空も綺麗だし、昼間ミカーラがはしゃいだ分のんびりするにはぴったりかしら？」

ほら、すぐにこんな風に言う。素直に楽しい、って言わせてやりたくもなるのです
どうやって言わせようか考えてたら——

「ミカーラ、ちょっとここで待ってなさい。ふらふら波に流されちゃダメよ？」
「あれ、エスどこいくんです？私も付いていきますよー？」
「いいのよ、あなたはそこで待ってなさい」

むぅ、そういわれたら待ってるしか…ないような、こっそり付いていく方が面白いような
とりあえず「はーい」って返事だけしてちょっと考えてみたりです
………それにしても星空が綺麗で…あ、花火！花火が上がりましたよエスーってエスがいませんー！？
どこいったんですかエスー！？

「……何うろたえてるのよ、ミカーラ」
「ハッ！？え、エスこそどこ行ってたですかー！？」
「ちょっとこれを買ってきたのよ。ほら、一つ上げるから落ち着きなさいな。お姉さんの奢りよ？」

手渡されたのは冷たいジュース。よく見たらエスも同じのをもってます

「さっき花火、上がってたわよね？どっちの方だったかわかる？」
「あ、それなら——」
そこまで言ったところでもう一発。夜空に大輪の花が咲く
「あっちね、ありがと」
教えられなかったです！？
「ほら、座りなさいな。折角だししばらくゆっくりしていきましょ？」
砂浜に直接座ったエスが自分の隣を示してるので、そこに大人しく座りました

「そーいえばエスとこうやってのんびりするのって滅多になかったかもです」
「色々忙しかったものね。まあ、おかげで今日はのんびりでき……てないわね、あんまり」
「Σ！？」
「あなたに引っ張りまわされてばっかりだったじゃない」
…そういわれると返す言葉もなかったりします
「まあ、いい気分転換にはなったわ。今日は」
エスがそう言って持ってたジュースの容器をこっちに近づけてきたので私のをそれにこつん、とぶつけて…
「「乾杯♪」」

あ…エス、笑ってくれました。よかった、わたし一人で楽しんでるんじゃなくって


その後暫くジュース片手に潮騒をBGMに花火を眺め






「……ハッ！？」
「……今度は何よ」
「そうだエス！占いの結果聞きに行かないとです！」
「はぁ…ちょっとはゆっくりさせてくれてもバチは当たらないわよ？」

そんな感じで私、ミカーラとエスのさまーばけーしょんはもうちょっと続いたのでしたー♪