森林の泉がある場所で目を覚ました。
血の幾らか抜けた頭で、冷静に振り替えなくても分かるが
俺は負けたのだ。また、と後悔に駆られるのは今は止めておこう。

まず一つ、襲ってきた集団について。
黄金色の巨大な何かを背に向けた影のような異形たち。
元は人であったもの、元から異形だったモノ。
人狩りのメルンストゥーラと見てまず間違いはないだろう。
よりによってオズワルド達と離れている時に、
運が悪かったのか巻き込まないで済んで良かったのか…。

しかしチセ達も同じ目に遭ってしまった。
あの後、意識が途切れる前にリューティク卿が
チセの元へ駆けつけていた事は記憶にある。
チャンダナ達は近くに仲間がいたようだから、
無事であるといいのだが。

…
俺は何故助かったんだろう。

追い打ちを受けなかった理由は、全員が倒れた時点で
メルンストゥーラ側が目的を達成していた事、
すぐにエルディが俺を乗せてその場を離れた事で納得できる。

疑問なのは負った傷の方だ。
決して浅くなかったはずだが、今や半分以上回復している。
体は痛むが、普通に立って歩く事も出来る。
応急処置だけで十分な程だったのだ。

以前のように生命の花弁を散らしたわけでもない。
とすると…。



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好き勝手なことを口々に、ジャスパーに群がるこめつぶたち。
無事を確認して満足したのか、わらわらと散らばった。

あっさりとそう言ってのける

扉をノックする音が聞こえた。
あなたが返事をすると、静かに音を立てて扉が開いた。
扉の向こうからは見知った顔が現れる。あのバサバサの長髪は確か…