4つ、
僕は、4つが必要だと思ってたんだ。

喜び、怒り、哀しみ、そして、平常心。

それを僕は、飲み込んで、溶かして、
残ったものを、吐き出せば良かったから。

だけど、本当に必要なのは、7つ、なんだって。

まずは、ゆーくん。

ゆーくんは、喜びをくれたけど、
必要なのは、それではなかったね。

ゆーくんは、何時でも自分が正しいって信じてた。
それが、1つ。

それから、絶対に全てが成功すると信じてた。
それが、2つ。

次に、みっちゃん。

みっちゃんは、悲しみを生み出してくれたけど、
必要なのは、それではなかったね。

みっちゃんは、どんな時も自分の世界を守ってた。
それが、3つ。

それに、最後まで真実を追求し続けた。
それが、4つ。

充分だったよ。
僕は、まるで生きているようだった。

でも、人である為には、
これでは駄目なんだって。

あと、足りないのは、3つ。

おにいさん、

おにいさんは、本当は違うから、
怒りをくれる事はなかったけれど。

おにいさんは、今この時も、月を憎んでる。
これで、5つ。

それから、これからも、永遠にそうで有り続ける。
これで、6つ。

正義、勇気、節制、思慮、それに、信仰と、希望。

あと、ひとつ、
あとのひとつは、平常心。

これは、僕。

でも、これじゃ、なかった。

必要だったのは、
僕じゃ無くて、

私。

私の為に犠牲になった貴方の為に、
貴方が愛する全てを愛してあげる。

貴方が愛して止まないモノ、
私が憎くて堪らないモノ、

そう、この、世界の、全て、

貴方の為に、愛し、
愛おしいと感じてあげる。

私が、そう感じ続けてあげる。

貴方を、在る者に変える為、
人として、生かす為、

他者の生気を贄に捧げ、
月奪の力を保ちながら、

奪えるだけの七元徳を、
貴方に詰め込みましょう。

抜け殻は、きいきい煩い、塵だけど、
それはそれは、奇麗で、甘い味。

沢山集めて、吐き出して。

飽きる事なく。

無意味に、貴方を蝕み続けるけれど、
貴方の望みが其れならば、
欲しいだけ、与えましょう。

でも、それは随分と重いから、

少しずつ、溶かしていかないと。

もう、与えなくては在る事の出来ない、
傀儡では無いのだから。