前回更新時間直前、眠い頭で宣言の修正してたら寝落ちてました
今回は大丈夫だと思われます　メッセ返すよ！ごめんね！

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「あ、マスター。…ええ、私もティーチェも元気ですよん♪」

度重なるストレスというのは、あまりよろしいとは言えない。
感性や技術への良い刺激になるなら構わないのだが、
ここ二・三日の刺激は、ティーチェにとってよろしいものでは無かった。

燃え盛る火の鳥。熱に惑わされ、衣服が焦げてしまった。
大きな岩の擬似生物には、まるで小蟲を叩くかの如き扱いを受けた。
小鬼みたいなヤツは、まあ、大して気にも留めなかったけれど。
何よりも、圧倒的な力の前に屈する体験が、ティーチェには真新しいストレスとなったのだ。

闇豹へ引っ張られるようにして逃げたこと。
痛いことにも驚いたし、胸のうちに湧いたもやは、苦かった。

悔しい。

負けるって、こんなに悔しい。

「健康状態に問題は無い、と見ますねぇ。
　ただちょっと…先日、大きいのに負けちゃって。黙りこくってるんですよ」

自分の世界では、争い事になんか混じりもしなかった。
誰かやどなたに襲われても、触手を一振りするだけで平穏が保てたのに。
この地上、この世界の中では、いかに非力で無知な存在なのかを思い知らされる。

冷たい体の中を通る、この熱い衝動。
言葉や文章では、おぼろげな形でしかなかった感情。
ようやく、初めて理解できた。

屈辱。

ティーチェの目は涙を出さなかった。
唇は拗ねたようにとがったが、雑言を放つわけでもなかった。

「基本的に、幸せと平穏しか知らない存在でしたからね。
　とっても良いデータが取れそうですわぁ」
　
こんな気持ちになりたくない。
どう表現して良いのかすら、分からない。
物に当たるのはよくない事だ。それは知っている。

ただ、初めての経験というのは、どんな生物でも脆くなる。
風邪を引いたりはしなかったものの、ティーチェも例外ではない。
新鮮なストレスを抱えた今、対峙するのは巨大なイカ。
自分と同じ、水の生物。自分と同じ、触手を持つ者。
それの身体は青白く透き通ったり、赤黒く濁ったりを繰り返す。

これまで見てきた生物の中でも、特別大きな相手。
ロッシにすら負けない巨躯は、地面を割る。

「ええ、大丈夫ですよぉ。私もティーチェの事は好きですしぃ。
　一人っ子なんで、妹が出来たみたいな気持ち。とっても面白いんですよ、彼女」

闇豹が喋り続ける中、ティーチェはボーっと突っ立っていた。
イカが出現したときは驚いたが、姿をまじまじと見るうちに、動けなくなってしまった。
大きな姿が怖いわけではない。ただ、懐かしさを感じてしまった。
このメルンテーゼでは決して会えない、故郷の海を悠々と泳いでいるであろう存在に、
つい、思いをはせてしまった。


おとうさん。

おかあさん。


「で、今からイカなんですよ。めっちゃでっかいの。腹立ちますわーって…」

闇豹は、耳元へ近づけていた端末を思わず離した。
雄たけびを上げる巨大なイカの前で通信をしていた余裕も、一瞬で失われる。

ティーチェの姿が、無い。


「きゅるぷい！！」


何かの鳴き声が聞こえた。

しかし、桃色の羽根を生やした背中は、どこにも見当たらない。
赤い髪を振って辺りへ視線を走らせると、薄緑のワンピースが水に浮いていた。

その側には、小柄な魔物が一匹。
イカでもなく、クラゲでもなく、タコでもない。
形容しがたき姿をした、触手を持つ異形。


「ティ、ティーチェ？！」


数ヶ月前から、闇豹の元で寝泊りを繰り返した。
言葉や文化を知り、つい最近、敗北を知った。
昇華しようの無い不安と、小さな劣等感を抱えた。

そこへ、懐かしさを与える姿をした"敵"と出会ってしまった。


ホームシック。

それは、治療の難しい病気の一つである。



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なんの脈絡も無い自己切腹絵。
闇豹は犠牲になったのだ…寝オチのな…！



【ウィトサーレ☆観察日記】

・ファイアバードに釘付け
　…ヤバかったかもしれないなぁ　大丈夫かしら

・すごいブツブツ言いながら倒してたけども
　大樹の破壊、全てを包みて闇に染め上げたり、だっけ？

・そういえばアレだ。彼のリュートの弦がヤバげなんだった
　倉庫あさってみなきゃだわ

・ロッシ君にも近寄れなくなるときが来るんじゃ、とか思う…

動物的な反応に”こいつおもしれぇ”と思うロッシくん。

そういって鼻先で背中を押し押し。

小さな異形が闇豹へくっついて、おんぶ状態に

どうしましたウィトサーレさん？

あぁ、イカに興味津々なんですねウィトサーレさん。
でもちょっと待ってくださいウィトサーレさん、Wiki大先生によれば、
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巨大なイカ類の体組織には浮力を得るための塩化アンモニウムが大量に含まれている。そのため、これらのイカの身の味には独特のえぐみがあり、食用には適さないとされている。
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だそうですよウィトサーレさん。

そんな顔しても駄目なものは駄目です。