【Ｓｉｄｅ．伯爵】
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【Ｓｉｄｅ．ネム】
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人間を、ころしたわ。



ころしたネムたちは４にん、ころされたのも４にん。
かれらが めのまえにあらわれたそのときから、　
にらんで、わらって、ぶきをもって、ころして、ころして、ころして。　


すべてがおわると、みんないつもどおりにもどっていたのよ。　
つかれたー、とか、おなかすいたなーとかって、いってたのよ。　
さすがのネムも、ちょっぴり、びっくり。　


みんな、そんなに人間がきらいだったのかしら。　
でも、リナリアは人間がすきっていうし。　
みんなのかんがえることは、ネムにはとても、むずかしい。　


ネムのかんがえることはカンタンよ。　
人間は仇で、くるおしいほどにくいから、ころすだけ。　
なにもおもうことはない。　


このぽっかりとあながあいたようなきもちも、　
ほほをつたう涙のいみも。　
なにも。　

食べない、の言葉に自然と息を飲む。恐怖でも、怯えではない、安堵でもない。意外、とでも云うような応対。
それでもいじめたくなるという、加虐心をくすぐらせる可能性があると言う。

そんな折に突然撫でられた。大きなネムのおててが頭をわさわさ。蔓がしたれて、ピクリと反応する。
どうしたの？とでも云うようにネムを見上げる葛の子。

しばし頭を抱えるイルペイス