はは、そうじゃのう。
毎日が非日常の中にあるからこそ、日常の残滓にしがみつきたくなるのかも知れん。
誰もが本当は、戦のない平和な時代を求めておる証左さかのう。
……儂としては、良い酒が飲める重要な行事じゃ。忘れるわけにはいかん。

んー、……くはは。そなたは鋭いな？
当時の我が主はその将軍の妾で、"桔梗"という名であった。能力は強いが、どこか芯の弱い娘でな。
正妻を名乗る端女に嵌められ、愛する男の手にかかり生涯を閉じた。……どこまでも報われぬ主殿だったよ。

すまんな、つい懐古に走ってしもうた。そなたが想いを懸けてくれたことで、儂も何か救われた気がする。

呵々。それを言うならば、ビスよ！
そなたは儂の言葉を、言葉にしておらぬ処まで汲み取って己の糧に変えておるではないか。
ただの立ち話と聞き流さず、羽毛のごとく受け止めて真心で返してくる、その感受性には舌を巻く。
そんなそなたであるからこそ儂も、老後を……いや、次代の"鼓"を預けたいと思うたのじゃがな。

本当か？　全く、儂と話をすることが幸せなどと、おだて過ぎじゃろう！
幾千と生き永らえた狐でも、手放しで褒められればすぐ増長してしまうのじゃぞ？
ま、よいが。儂もそなたとの会話はとても気持ちがいい。ここまで風雅を解する者は、なかなか居らんしの。

昔話だけなら、無駄に長生きしておる分だけ豊富じゃからの！
じゃが、そなたも旅人として永くを放浪し、多くの土地を冒険してきたようではないか。
先の精霊の話や師匠の話など、とても楽しく聞かせてもらった。儂もまた、そういう話が大好きじゃ。
そうやって聞かせあうことで理解を深めるのが、ビスと儂の関係なのかも知れぬのう。

ほう、儂より美しい毛並みじゃったか？ 呵々、嫉妬してしまうのう！
云われてみれば確かに、狐は毛繕いが丁寧な者が多い。
知恵者が揃っているから、第一印象、つまり身なりも疎かに出来ぬことを心得ておるのかも知れんの。

おや、綴の機嫌だけでなく、儂の機嫌も大切にして欲しいものじゃがの？

ようし、よく云った！ では儂は、ビスにからかわれる日を楽しみにしておこう。
やはり女としては、男をからかうよりも、男にかまわれたいものでな？
ふふ。ビスが優しうしてくれるなら、それだけで儂は満足じゃ♪

やまのぼりも……だんだん……なれ、てきまし……たわ……

おい虫の息じゃないか貴様

今日の獲物はこいつらか？

アドニシア、教えたとおりに

戦闘、開始します

いきます。

ナメないでほしいわね、自衛くらいできるんだから。

来んな、臭い。

どうしてこのようなことを・・・・・

出てって。

…………。

…………。おい誰かこの女を引きずっていってくれ、あと私を運んでくれ

…もう、いいだろう。　これ以上は無益だ

ネクターを渡してください

なんとか勝てた……

まったく、面倒な奴じゃ。

先に進みましょうか。ぼうっとしておても仕方ありませんし

行きましょう。

あら。なにかありますわね？

ん？

ひゃう……ッ！？

変な悲鳴上げてる場合か！　構えろ！

……！？