Vanetta's Diary - Page.14

いろいろうろうろ。そろそろ何か目的を、と思いながら適当にこのままでもいいんじゃない？
と、迷いつつ悩んでいる14日目。

順調に進んではいるし強くなってもいるのだけど、これと言って目立ったネタがない。
前もこんなものだっけ……？　それなりにちょこちょことあった気はするんだけど。
もしくはどうにか思い切って方向転換をするべきか。
……あ、この日記の事ね。なかなか難しくて。お茶濁したり絞り出したりして何とかやってはいるけど。
他の人の日記でも読んで方向を模索してみようかしら……？

●メルンテーゼ観光スポット！


・枯れた土地

名前の通り、特に特徴がある訳でもなければ何かがある訳でもない、完全に枯れた荒れ地。
陽の光を遮る木立もなければ涼む物陰もなく、喉を潤す小川もない。
おまけに生息する生物はこの環境の過酷さを後押しするようなものばかり。火や闇の属性を持つものが多い。
生物やエンブリオにも好む環境というものはあるでしょうし、それを思えばこれだけ尖った地形に集まるのも当然といえば当然か。
まともな判断ができれば、本当に危なくなる前に他の比較的安全な地形に移動できる程度の距離しか離れてないのは幸運。
一揆参加者の話によると、城内へ通じる秘密の地下通路と、それを守る凄腕の暗殺者が居るとか……

……というか居たしあった。しかも凄腕ではなかった。まあまあ腕が立つ程度だった。嘘ついたごめん。

・星屑の山

星屑の小川に続いて２つ目の、星屑を名に冠する地形。
小川が流れる水に星屑を湛えるなら、山はその高みに星屑を湛える。
空の彼方から降り注ぐキラキラと輝く星屑の粒。触れようとすると雪よりも淡く消えてしまう。
延々と続く星屑の雨は幻想的という言葉で語ることしかできない。
観光に来るならこの地は外せない。
ただし、僻地かつ過酷な地形であるこの山岳地帯には、そこに住むに相応しい屈強な生物しか存在しない。
具体的には他の地形より遥かに凶悪な生物のオンパレード。
余程腕に自信がないのなら、残念ながらこの素晴らしい観光スポットを諦めるという選択肢も考慮に入れるべきかもしれない。

力なく首を振りながら、提案を断る。

ファイは地面に手をついて、立ち上がった。