(※今回の日記も本編とはあまり関係ありません。
　 割とそういう日記ばかりになりそうですが気にしないで下さい)


むかしむかしあるところに、
わるいまじょがおりました。
わるいまじょはとてもちからがつよく、
だれもわるいまじょにはかなわないので、
やりたいほうだいです。
ただ、
すくいがあるとすれば、
わるいまじょはきほんてきにひとにかかわろうとしないので、
ときおりひがいがでるひとがいるものの、
そうひどいことにはなりませんでした。
ですが、
わるいまじょであることはかわりませんし、
ひがいはかくじつにでているため、
おうさまはあたまをかかえていました。
きしをはけんしてわるいまじょたいじしようにも、
わるいまじょはとてもとてもつよく、
とてもかないはしない。
よしんばわるいまじょをたおしたとしても、
わるいまじょとたたかってひへいしよわったくになんて、
りんごくがきっとせめほろぼしてしまいます。
だから、
わるいまじょをどうにかすることなんておうさまにもできないのです。
こくみんのみんなも、
おうがわるいまじょをどうにかしてくれないかとおもいつつも、
わるいまじょのおそろしさがわかっていたので、
しかたないとあきらめていました。
だが、
そんなさなか、おおきなじけんがおこります。
おうさまにはひとりのみめうるわしいおうじがいて、
なかのわるかったりんごくのおひめさまと、
たがいのくにのこうきゅうてきなへいわのために、
けっこんすることになりました。
さいしょは。
おうじさまもおひめさまもせいりゃくけっこんだとあきらめていましたが、
ひとめあうなりふたりはこいにおちました。
このひとこそうんめいのひとだとかくしんするほどに。
これでふたりがむすばれて、
おたがいのくににへいわがもたらされ、
さらなるはんえいがやくそくされる。
そう、おうさまはかんがえ、
とてもとてもよろこんでいました。
だが、しかし、
わるいまじょはこのことをしって、
とてもいかりました。
りんごくとなかよくなってしまえば、
じぶんのみがあやうくなるということもありましたが、
それいじょうに、
わるいまじょは
みめうるわしいおうじをじぶんのものにしようとしていたのです。
そんなおうじがほかのおんなにとられるなんてゆるせない。
だから、わるいまじょは、
おひめさまにのろいをかけてねむらせて、
おうじさまをさらってしまいました。
こまったことになったのはおうさまです。
こんなことがおきたいじょう、
わるいまじょをたいじしなければなりませんが、
かてるかどうかはわからないし、
そのあとなんくせつけられて、
りんごくにせめられてはたまったものではありません。
かといって、
このままてをこまねいていては、
やはりこのくにはほろんでしまいます。
りんごくのおひめさまもまきこみ、
たったひとりのおうじもいないのです。
そして、
おうじがわるいまじょのてのなかにあるいじょう、
わるいまじょがこのくにをのっとるなんていう、
さいあくのじたいすらありえるのです。
どうしょうもなくこまったおうさま。
かみさまにすくいをもとめいのるおうさまのめのまえに、
ふいに、ひとりのまじょがあらわれました。
そのまじょがどこからやってきて、
どういったじんぶつなのかはまったくわかりませんが、
そのじょせいはまちがいなくまじょでした。
なぜなら、
なんのまえぶれもなくふいにおうさまのめのまえにあらわれ、
このよのもとはおもえぬこわくてきなえみをうかべたからです。
とつぜんのできごとにあわてたおうさまは、
なにものだとききました。
そのことばにまじょは、
くすくすとわらいながらこたえます。
まじょがいっていることばはわからないこともありましたが、
どうやらここにすむひとではないこと、
わるいまじょをたおすかわりに、
わたしのほしいものをよこしなさい。
と、そのまじょはいいました。
おうさまはほんとうにたおしてくれるならねがったりかなったりだが、
まじょよりつよいちからをもつそんざいだとしたら、
ほしいものがなんなのか、
それがくににがいをおよぼすものならうなずけない。
そうこたえました。
そのこたえにまじょはまんぞくしたのか、
ひとつうなずいていいました。
たいしたおねがいじゃないわ。
たしょうのおかねと、
むりのないはんいでのべんぎをはかってもらえれば。
それでどうにもならないことがあれば、
こくがいついほうにでもすればどこかへまたたびにでるわ。
と。
そのくらいであれば、
こくおうとしてももんくはありません。
むしろそのていどでいいのかとくびをかしげざるをえないほどです。
だから、
ほんとうにそれでいいのかときくと、
ああ、あとはそのわるいまじょからいただくわ。
とまじょはこたえてたびだちました
まじょはとももつけず、
たったひとりで。
それだけじしんがまじょにはあったのでしょう。
そして、
そのじしんをうらづけるように、
まじょはわるいまじょのすむとうへとたどりつきます。
とちゅうさまざまなくなんがありました。
ですが、まじょのふくはたしょうぼろぼろになったものの、
きずひとつありません。
そう。
わるいまじょのときはなったさまざまなもうじゅう、
どくをもったいきもの、
しりょうたちでも、
まじょにきずひとつつけることはできなかったのです。
しかし、ここからがほんばんです。
わるいまじょのとうのまえにはみつくびのきょだいなばんけんが、
そして、
とうのなかにはわるいまじょのしかけたわなと、
わるいまじょほんにんがいるのです。
ですが、
まじょはあまりきにしたふうもなく、
ばんけんのまえにちかづいて、
とおしてといいました。
ですが、
ばんけんがとおすわけがありません、
まじょをたべようとくらいつきます。
それでまじょはたべられてしまいますが、
きがつけばむきずでたっています。
ならば、と、
ばんけんはひをふきつけてまじょをやきますが、
やはり、
まじょはきがつけばむきずでたっていました。
それどころか、
まじょがそっとてをのばすと、
とつぜんばんけんがくるしみだして、
ちをふきだしてたおれました。
そのようすをきにしたふうもなく、
まじょはふくをきなおしてとうをのぼります。
とうのなかにはわるいまじょのさまざまなわながまちうけていましたが、
どんなわなもまじょをきずつけることも、
のろいをおよぼすこともできませんでした。
へいぜんとしたようすで、
とうとう、とうのさいじょうかいまでまじょはたどりつきました。
そこにいたのはわるいまじょと、
おりのなかにとじこめられたおうじさまがいました。
わるいまじょはおどろきます。
じぶんよりつよいそんざいなんていないはずなのに、
じぶんのしかけたわなや、
じぶんのよういしたてしたたちなどいにかいしたふうもなく、
むきずでそのまじょはたっているのですから。
おうじさまもおどろきます。
おうじさまもまた、
わるいまじょのおそろしさやちからをしっており、
としわかきじょせいが、
たったひとりでここまでこれるとはおもってなかったのですから。
まじょはいいます。
なにをそんなにおどろいているのかしら、と。
それはまるでわるいまじょをちょうはつするようでした。
もちろんのこと、
じぶんのちからにじしんがあり、
ここまできたとはいえ、
じぶんがほんきでたたかえば、
よゆうでこんなまじょなどたおせるとわるいまじょはかんがえました。
おうじさまもそうです。
たすけにきてくれたのはうれしいけれど、
わるいまじょにはかてない。
むちゃをしないでかえってほしいとおもいましたが、
まじょはどこふくかぜできにしたようすがありません。
そのようすにかちんときたわるいまじょは、
まほうでぶたにかえようとしましたが、
まじょはなにごともなかったふうにけろりとしています。
ならば、と、
わるいまじょはほのおで、こおりで、かみなりで、
さまざまなほうほうでまじょをこうげきします。
ですが、
なんどこうげきしてもそのたびにまじょはたちあがります。
あせるわるいまじょ。
あせればあせるほど、
そのこうげきはちからまかせにきょうりょくになりますが、
まったくまじょはきいたふうはありません、
いや、きいてはいるのでしょうが、
すぐになにごともなかったようにむきずでたちあがってくるのです。
そうこうしているうちに、
つよいこうげきをくりかえしつづけてたわるいまじょは、
ついにそのぼうだいなまりょくをつかいはたしてしまいます。
まりょくをつかいはたしたわるいまじょにはなんのちからもありません。
そんなわるいまじょにたいし、
まじょはいっぽいっぽゆっくりと、
わるいまじょにちかづいてゆきます。
さすがのわるいまじょも、
じぶんのこうげきをすべてうけてむきず、
そして、
まりょくがこかつしたじょうたいでは、
まほうをつかうことができなくては、
そんなまじょにたいこうするしゅだんなどあろうはずもなく、
おびえたようににげます。
そんなわるいまじょにまじょはいいます。
あなたそうとうにうらまれてるわね。
むくいがくるわよ。
と。
そのことばにおびえながらもきょとんとするまじょ。
おうじさまもそのことばのいみがわからずきょとんとします。
だが、つぎのしゅんかん、
わるいまじょもおうじさまもそのことばのいみがわかりました。
ふいにわるいまじょのへやのなかにあったたんけんがうかびあがり、
わるいまじょのしんぞうをつらぬきました。
ぜっきょうをあげてぜつめいするまじょ。
かくしてわるいまじょはたおされ、
まじょはおうじさまをきゅうしゅつしました。
わるいまじょがたおされるとともに、
おひめさまもめがさめて、
おうじさまとおひめさまはぶじにむすばれ、
しあわせにくらしたそうです。
めでたしめでたし。
え？
まじょはどうしたのかって？
もらうものをうけとると、
そのままたのしくいろいろせかいをたびをして、
いつのまにか、
そのまじょのはなしもきかなくなったそうです。
まじょはせかいをたびをしたとき、
やはりいろいろなそうどうにまきこまれるのですが、
それはまたべつのおはなし。
めでたしめでたし。

ぺらぺらとアルネスさんが本をめくる。
何度めくってみてもそれはただの童話に過ぎない。
頭をひねるアルネスさん。
きっと、
なぜ私がこんな童話をもっているのかと考えているのだろう。
しかも同じようなのが何冊か。
流石に何もしてない時が暇だったので、
送ってもらったものだったこともあり、
きっと興味があったのだろう。
アルネスさんに興味をもたせるようにみせたのも功を奏したらしい
誰もが読めるよう翻訳魔法をかけてもらった本を熱心に見ている
そんなアルネスさんに声をかける。
「あら、
　私の本を勝手によんでいるようだけど、
　そんなに面白い本だったかしら？」
ニヤニヤと笑みを浮かべながら。
私が張っていた可能性は考えていたとはいえ、
唐突な登場にわひゃあ！と可愛い声をあげて本を閉じるアルネスさんに、
私は言葉を続けた。
「ただの童話なんだけど。」
「相変わらずに心臓に悪い……
　ともあれ、
　ん。いや、それは読めば分かるよ。
　でもなんで魅月さんがこんなの読むのかなぁ。と。
　普段は童話なんて見るタイプじゃないみたいだし。」
「まぁ、それはそうね。
　もってるのは単純な話よ。
　私の話を他の人が纏めてくれたものだもの。」
その言葉を聞いて、
またそのパターンかとがっくり肩を落とすアルネスさん。
「どうして私に魅月さんの話を聞かせようとしてくるかなぁ！？
　って、他の本ってまさか……」
「だって反応が一番いいんだもの。
　なんだかんだで楽しんでいるのも貴女でしょう？
　もちろん他の本は世界を旅してたときの騒動の話よ。
　ちなみに私は話を教えて、
　書いたのは別の人だから面白いのよね。
　ああ、書くとこんな風になるのね。
　みたいな感じで。」
「ああ。なるほどね。
　……
　そして一冊読んだ私は残りの本を読まざるを得ないわけ……か。」
「別に読まなくてもいいのよ？
　読む必要もないだろうし。
　私が後はゆっくり楽しむもの。」
「すみません、どうか貸して下さい。
　お願いします、
　ここまで見て見れないのはいろいろもやっとするので。
　うん。」
「そう？
　じゃあ貸してあげるわ。
　後で感想きかせてね。
　面白かったら私も読むから。」
「……もしかして私……
　試金石にされた？
　この本が面白いか面白くないかっていう……」
「当たり前じゃない。
　後で面白くないなんていわれたら、
　読まないでいるほうが幸せでしょう？」
「はめられた！？」
こうして、
私達の旅の大切な１ページがまた埋まっていくのだった。

　
お盆ですね。

現状だと会話にはあまり集中できていない様子。

一応、あれこれ考えるような素振りを見せてはいるが…それらしきものが思い付かないようだ。

そう問いながら、少々訝しげな目線を魅月に向け始めた。

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少々曲解しているのだろうか？

軽めに空を仰ぎ、笑ってみせた。