「ふむ、存外に堪えそうだな。
　やはり一揆とやらに参加している個体は面白い」
「……気のせいかな、入れちゃいけないスイッチを入れちゃった気がするよ……」

頬に冷や汗が伝う。
絶望が脳裏を支配しないように、ひたすらに考えを巡らせる。
最近、気がついたの僕の利点。
時間経過でエンブリオを使える為の力が増していくこと。
有効打を揃えている訳じゃないんだけれど、継続戦闘に向いているこの特性を活かす為には。
……やっぱり時間稼ぎしかないか。
時間を稼いで、エンブリオの力を連続使用して一気に逃げる。
とりあえず、これしかなさそう。
僕に注意を向けているから、今からじゃ逃がしてくれないだろうし。

すぅ

はぁ

大きく深呼吸して、まっすぐに王を自称する蛇の怪人を睨み付けた。
相手はゆっくりとした動きで再び右手を持ち上げている。
さっきと同じなら……もうすぐ。
予想通りに右手が僕の喉笛を目指して飛び出してきた！
「……当たれば儲け！！」
スピンコックして、魔弾を再装填。
そのまま流れるように襲い掛かってくるであろう場所にぶっ放す！
ショットガンの最大の利点は狙いが甘くても目標に当たってくれる所。
それで軌道が逸れてくれれば、また少しだけ時間が稼げる。
後ろに跳び退りながら、逸れた右手に追撃を行う。潰れてくれたら御の字だ。
「ほう、それで次はどうする？」
しゅるしゅると音を立てて右手を戻したソレは楽しそうに問うてきた。
見た限りでは右手を潰したように見えたのだけれど……あっという間に再生していく。
足や手を打ち抜いて足止めって作戦が瓦解した瞬間だった。
「ははは……どうしようかな、本当に。
　正直、逃げ出したいけれど」
「逃がさぬ」
ですよねー。
というか、呟きに律儀に答えてくれるんだなぁ　なんて暢気な感想を思ったり。
「っつ！？」
右足に痛みを感じたので咄嗟に手で振り払う。
いつの間にか蛇が噛み付いていたようで、そこかしこに蛇の気配がする。
「逃がさぬ」
「……どうしよう、ちょっと泣きそう」
軽口が叩けるからまだ大丈夫……毒があったとしても、まだ耐えられる範疇のはず。
あちらの茂みから、こちらの茂み。
果ては木の枝からも顔を覗かせ機会を窺う蛇の群れ。
それらが一斉に僕に向かって飛びかかろうと−−−−

「ご主人、伏せて！！」

聞きなれた声がして、咄嗟に従う。
その直後に僕が立っていた場所を中心に何かが爆ぜた。
１００もの数が居たであろう蛇の群れを一網打尽にしたソレが何かはわからないけれど。
「ここしかないよね！！
　頼んだよ、僕のエンブリオ達！！」
水流に毒の茨、さらには猫の目からビームだったり。
とりあえず時間稼ぎと目晦ましができればそれでいい。

「早く！こちらです！！」

僕はその声に導かれるように一目散に走り出した。


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「逃げたか……退き際は見事であったな」
終末の蛇はそう独り言ちる。
「……しかし」
面白いモノを見つけた、とばかりに目を細めた。
あるいは、笑ったのかもしれない。
「カーフェイネスだけかと思うていたな。
　なるほど、余がこの世界に辿り着いたのはある種の必然……か」
舌なめずり。
しばらくの間、何かを堪えるように肩を震わせ立ち続ける。

「遅かれ早かれ、余が凡てを呑む。
　死者や生者の差別なく、滅びと言う名の終焉を与えよう。
　その為には……まだまだ足りぬ。
　もっと喰らわねば、さらに呑まねば……気配は“憶えた”ぞ」

不吉な言葉を残し、蛇の王は姿を消した。
マナすら枯渇し更地になった村だった場所　がそこには残るのみ。

ちなみに彼の母親も外国人である。

正義の住む世界の知り合いにも、過去に費やしすぎて失敗した経験がある者もいたようだ。

卍人の考察になるほどと頷きながら

デルタの世界では、おそらく卍人の世界ほど劇という娯楽が発展していないのだろう。
少々感覚がずれている。

何が怖いって　でっかい族が立ってたら削ってしまいそうで
それがとっても怖いのである　　　ヒント：被害者

服を褒められればくすくす笑って、レーススカートを風になびかせた

ストーカー紛いの単語である

ある意味もっとガチガチの階級社会でした。

どちらかといえばお国柄？の問題のようです。

雪乃「…この快適な涼しさは…もしかして…」