みんな私から離れた。
小さいころは一緒に遊んでいた人がいた。
私と遊んでいるところを見つかると連れて帰られた。
少ししたら私と遊んだらいけないと言われたと言っていた。
そのあとは雪女だといじめられた。
そんなことはできないのに。
外に出るのはいやだった。
父はそんな私に何度もごめんな、と謝った。
母はそのときにはすでにいなかった。
母をうらんだ。うらんでもしょうがなかったのでそのうちやめた。

山でエンブリオを助けた。
草のエンブリオで名前は忘れた。
その子は中に入れないから、外で会うことになった。
外が楽しくなった。
きらいな外だったけど楽しかった。
私のただ一人の友達だった。

あのときまでは。
村長が家にきた。
王がネクターを独り占めするらしい。
だがそれはエンブリオを契約させて、反乱をさせないためなのだろうと言っていた。
だから王に目をつけられないように、エンブリオを解約しろ、とのことだった。
こんなときばかり、と思った。
思っただけで解約する気はなかった。
する気はなかったけど、私が愛訳しないのなら、この村から出て行くように言われた。
それじゃあ生活ができなかった。
それくらいはわかった。
それに、まだ小さかった。
父にも言われ、泣きながらその子と別れた。
しばらく経ったら、もうどうでもいいやと思ったのは覚えてる。

　「それでも」と、少年は笑みを浮かべ続ける。

　
　す、と。恭しく屈んで見上げ、緩やかな笑みを浮かべた。

ひらひらふりふりの洋服を手渡され、手に持ったまま硬直する。

ひらひらでフリルのついた可愛らしい服だ。おそらく、この姿にならなければ手に持つ事無かったであろう。

テントの中に入って行った白雪を茫然と見送りながら、服を見る。

当然だが、こんな服着たことはない。と言うか、服と言う存在自体、この体になった時に着てたこれだけだ。

何しろ、元の姿の時は、岩なのだから。特別製の金属鎧を纏うだけだ。

自分がこれを着た姿を考える。ひらっひらで、実に可愛らしく、少女にしか見えない。

何故か顔が熱くなるのを感じながら、ぶんぶんと頭を振るロックだった。

一揆参加者用の連絡所で一人の男が声をかける