スパンキー、そしてムニン。
新たに仲間になったエンブリオたちを思い浮かべながら、私は一人考えていた。
スパンキーはペンダント、ムニンはヘアピンにそれぞれ宿っているらしいが私はまだ姿を見たことはない。
外したヘアピンを指先で弄びながら小さく溜息をつくと、微かな光と共に槿花が姿を現した。

「悩んでおるのぅ、主様」
「……ええ、まあ。まだどんな姿か見たこともありませんし」

そういってから、私は槿花のほうを見る。

「槿花。ムニンはどんな姿をしているか知りませんか？」
「ふむ、そうじゃのぅ……幼い少女の姿をしておるよ。背中に烏の翼が生えておったな」
「烏ですか……」

確か、祓がスパンキーは時風と似たようなエンブリオだといっていた。
ぼんやりと考えて、考えて——やがて思いついた名前に、私は小さく笑みを浮かべた。

「……金烏と夜凪にしましょうか」

そう呟いたとき、ペンダントとヘアピンがそれぞれ薄く光を放った。