そなたも、可愛いと云われて喜ぶ男になれば良いのに。
ふむ。じゃがそなた、すでに凡庸で終われる器ではないと思うぞえ？
鍛冶の技術はともかくとしても、記憶喪失、幽体離脱、幼女の父親と現実離れしておるし。

なに、損を感じたことがないじゃと？
いかんなぁ。儂のような女が、肩にしなだれかかって熱い吐息を耳へ吹きかけておるというのに。
それとも儂には魅力が足りぬかや？　お望みなら男に変化してもよいのじゃが。

呵々。染み付いた自制心は、容易に解放できぬか。
気を許せる相手。例えば妻か、隠し子でも出来れば、もう少し気が緩んでくれたりするのかのう！

ま。今の生活がある以上、記憶など思い出しても仕方が無いことではあろうがな。
欠落、のう？
たとえばそなた、どのような感情に欠落を覚える。酷く寂しく感じる記憶など、ないかや？

くふ。相手がどのような感情を出しておるか、それをよう見極めることじゃの？
それに、女が男を襲わぬと思ったら大間違いじゃ。女は決して守られるだけの宝物ではないぞえ。
例えばな、手を出させることによって既成事実を作り上げるなど、狡猾な狐の尾も隠しておる者もいる。

主導権を奪い返せなかったこともない、か。
そういえば奴も奪い続けられないように話していたの。無事な例も、この前見せてもろうたし。
……じゃが、ヴァルトよ。あまり不用意に主導権を貸すでないぞ？
悪霊の類はな、身体を徐々に自分に慣らしていき、最終的に元の持ち主を追い出そうとするものよ。
フランメがそうとは云わぬが、そなたの身体がそなた以外に動かされることを、真っ当とは思うまい？

あ、う……。……そ、そうじゃな。励みにするとよいぞ。儂は応援しておるからの……。

さあ、始めましょうか

さて……やるしかないですね。

……人斬り鬼桜、いきます

これが日々の研究の成果です

恨みっこなしですよ、自然の摂理です。

立ち止まってる訳にはいかないわ
先に進みましょう

それでは、行きましょうか。

あれは…アイテムかしらね

おや……

仕方ないわね
これは、正当防衛よ

それなりに覚悟の上でしょう……行きますよ。

普段、何が何を食ってんのかよぉー、わかったもんじゃあねーぜぇ。