狭い通路を逆手に取った立ち回りで、人数差をものともせず無事に勝つことができた。
アラヤの思ったとおり相手は下位の魔族だった。
しかしソウハがこなければ間違いなく負けていただろう。
ソウハに何か言葉をかけようと思ったが、なかなか言葉が出てこない。

ようやく出てきたのは無機質で事務的な言葉だけだった。

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先ほどの場所から少し離れた物陰で休憩を取る。
本当はただソウハを休ませたかっただけなのに結果的に余計に疲れさせてしまって、なんだかもやもやした気持ちになる。
とてもじゃないけど、そんなこと口には出せないが。

どうしたものかと考えていると、突然ソウハが申し訳なさそうに謝ってきた。
それを聞いたアラヤは、きっと間の抜けた顔をしていたと思う。

なんでソウハが謝るのだろう？
誰が見てもソウハに非はない。

やっぱり出てきた言葉はそっけないものだった。

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しばらくの休憩の後、奥へと続く通路を歩き出す。

だがそんなことは言い出せず、奥へ奥へと進んでいく。
ランタンの灯りに照らされる壁にも、爪痕のようなものや血痕が増えてくる。
しかしそんなことよりも・・・先ほどからソウハの顔が少しこわばっている。
最初は周囲の不気味な様子や遠くから聞こえる唸り声のせいだと思っていたが、ソウハの目はどこか遠くを見ている気もする。

そんなことを考えていると、前を歩くソウハの足が止まった。
どうやら通路の先に見張りの魔物がいるらしい。
二人で相談した結果、奇襲を仕掛けることになった。

気づかれないように術式を展開し、影へと溶け込む。
そして油断している魔物の死角から飛び出し—