じゅうににちめ。

雷鳥とオコジョとの戦いは、私のミスによって呆気なく負けてしまいました。

臆病腰でビクビクと武器を構える私は、ビリビリと雷を走らせてくる雷鳥に思わず足が一歩引いてしまいます。
私が前線から一歩引いてしまった隙を雷鳥達は逃す事は無く、
前で奮闘していたナナさんは集中砲火を浴びられ、一瞬にしてナナさんが倒されてしまいます。

バタンと倒されるナナさんを目の前にして私は混乱してあたふたとしてしまいます。
私がナナさんと一緒に前で頑張っていれば、ナナさんも倒れる事は無かった筈なのに…ナナさんごめんなさい…。

とにかくアラヤちゃんだけでも守らないとと、私は震える足でアラヤちゃんの前に出ます。
しかしそれは、私が雷が苦手だと理解している雷鳥達にとっては格好の的でしかありませんでした。

雷鳥達は、私を取り囲むとバリバリと雷を鳴らし私へ雷撃を打ち込んできます。
焦りと怖さで何も出来ない私はそのまま雷撃を受けてしまい…身体が感電して麻痺してしまいます。
麻痺して動かなくなったのを見計らってか、雷鳥達はじりじりと近寄ってきて更なる雷撃の追い討ちをかけていきます。

……私が雷が苦手・怖い理由は二つあります。
一つは属性的な理由です。
私の属性は『氷の特性』に『水と空の適性』の３つの属性を所持しています。
その３つの中の水の適性の影響で雷に弱くなり、更に『空を飛ぶ為の翼が生えてる』事で更に雷に弱くなっています。
つまり雷に対しての耐性が全然無くて滅法弱いのです。

二つ目の理由はトラウマ的な理由です。
といっても、おぼろげにしか思い出せない記憶でどうしてこんなに怖いのかは分かりません。
ただ雷を見る度に条件反射的に身体が竦み上がって動けなくなってしまいます。
多分、私がこの一揆に参加する前に雷で何かとっても嫌な事があったに違いありません。
例えば…空を飛んでる途中で雷に撃たれてしまった…とか。

…そんな訳で雷に滅法弱い私には、これはもはやイジメでした。
動けない私を一方的に嬲っていく雷鳥達。
雷撃を撃つ度にビクッと身体を震わせる私の反応を見て楽しんでいるようでした。

嬲られ続けて、ついに私の意識が途絶えてしまいます。

意識が途絶える瞬間。
後方にいるアラヤちゃんへ『守れなくてごめんなさい』。
途切れる意識の中でそう呟いて、意識は闇の中へ落ちていきました。


　＊　＊


私達が意識を取り戻す頃には、辺りは薄暗くなっていました。
目立った怪我は無いものの、荒野に続いてまた食料袋が荒されて食料がいくつか取られてしまい、少し心許無い量になってしまいました。
しかしもう少しで山の頂上まで着くという所なので、このまま引き続いて山の上を目指そうと思います。

とはいえ、辺りはもう暗いし、私含めて三人とも疲れているので今日はここでキャンプします。

私は早速、旅の道具一式から簡易調理器具を取り出すと、鍋に水を注いで火に掛けます。
そして沸騰してきた鍋に刻んだ食料を入れて、広庭で採取しておいた調味料になる野草を加えて煮込んでいきます。

今日の夕食は簡単なスープなのです。
くたくたに疲れている時はこういうスープ系が身体に優しいのです。出来たらナナさんやアラヤちゃんにも分けてあげましょ。

と、私が楽しく調理をしていると、何やら嫌な気配が…。
気配を感じてナナさん達も辺りを警戒し始めてました。
そしてやってくるのはまたしても雷鳥とオコジョ。味を占めたのか再び私達を襲いにやってきました。
今回は手下？のレイスやゴーレムも一緒のようです。うーん、夕飯時には勘弁してほしかった…。

明るい時は雷でビクビク震えていた私ですけど、流石に２度目もなればほんの少しですが慣れてしまいます。
それに雷鳥も今回は１匹だけだったので、それほど怖くはなくなりました。

…というよりも、お腹が空いて少しイラッときていた私。
ご飯を食べる時は、誰にも邪魔されず自由で救われてなきゃダメなの。

MK5（マジでキレる５秒前）な状態。果たして私達は無事にお夕飯を食べれるのかしら…。










・おまけ：今週のNG集・
（※これは実際の本編には全く全く一切関係ありません※）



*空を飛ぶ為に必要なもの*

そーらをじゆうにとびたいな〜♪

…ねこのしっぽが千切れそうなのですがそれは（滝汗）

…割とよく見る回転式ツインテール！？（滝汗）




*雷鳥に玩ばれる蒼羽の様子*

…嫌よ嫌よも好きの内！？(滝汗)