ふと気づくと今まで居たはずの廃ビルではなくスタジオに居た。
突然の証明が目に染みる。
背後には巨大なモニターがあり、眼前、ステージの下は異形の人間、ヘルピープルがひしめいていた。

これから始まるこのTV番組は要約するとヒットマンの真似事だ。
「価値ある魂」を持つものを殺し、その魂を回収する。
そして、最も活躍したヒットマンの願いが叶う——そういうゲームだ。

バァン！と巨大モニターに1人の男が映し出される。
『ネットゲームの世界で過ごしたい』とテロップが流れたのち名前が表示された。

魔人という大層な肩書きの割に妙におどおどした男だ。
名前を呼ばれ肩を跳ねさせて驚いていた。

観客席のヘルピープルは大いに盛り上がった。
他に2名、計4名の回収人の紹介が行われた。
どいつもこいつも碌でもない奴だった。

何の変哲もない、ただの防火扉を開けると、デジタル3Ｄの世界が広がっていた。
見覚えがあった。娯楽で潜ったことのある、仮想世界そのものだった。

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【仮想世界ウィゾン】
ここでは多くの人が冒険者となり、罠や強敵の潜む迷宮へと挑む。
ただし敵はモンスターだけではなく、人間が略奪のために襲い掛かってくる場合もある。
冒険は常に死と隣合わせだ。
拠点となる港町には屈強な衛兵が巡回する治安の良い区画と、
警備が行き届かず犯罪者のたむろするスラム地区がある。
殺人や略奪行為を行った犯罪者は呪いで身体が真っ赤に点滅する光に包まれ、忌み嫌われる。

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向こうから地図を見ながら狼人の少女がやってくる。

少女とぶつかってしまった。

少女はガタガタと震え怯えている！

　目の前の男は下半身を丸出しにし、（大事な部分は謎の闇が覆っていたが）
　何かをブツブツと呟いていたと思ったら、高速で反復横飛を繰り返しながらこちらに接近してきた。

　その光景は社長に恐怖感を与えるのに十分だった

　恐怖により社長の対応が一瞬遅れを取る。
　飛びかかってきたニスイへの迎撃が間に合わない。

　「これはマズイ…！」と社長が思った時

　エンブリオのノームが反応した。
　ノームは社長の椅子と一体化しており、椅子を自由に動かすことが出来た。

　ノームは、立ち上がっている社長の膝裏に椅子をぶつける。
　つまり、「膝カックン」を社長に仕掛けた。

　それにより社長は体勢を崩し、椅子に着席する。

　社長が椅子に座ったのを確認するや否や、速度を緩めず、ニスイを迂回するようにして椅子を前進させた。
　そして、ニスイの背後に回りこむような軌道を描き、彼の背後でピタリと止まる。

　社長はニスイの背後を逆にとったのだ。

　社長がニスイの背後を取ったということは、眼前には"ニスイの丸出しのケツ"があるという状況だ。

　社長は、それを目掛けて杖を押し込もうとする。
　ニスイが急反応を見せない限り、この杖は確実に彼の肛門に突き刺さることになるだろう。

（くすくすっと笑いながら胸元を少しだけはだけて見せ

号令を飛ばしたあと後方へと下がった。
そう、舐めプレイである。

号令に片手を上げて返事をしながら、抜刀もせず前方へ出る。

所謂、舐めプレイである。

しかしトキサメは回りこまれてしまった！

超法規的措置、見なかったことにする。

倒れた相手に手を差し伸べる。

遠くから騒がしい声が聞こえてきた。
そしてその声は徐々に近づいてくる。

…と思た矢先に少年は転倒、派手に水しぶきを上げて川に沈んでいった。