その後ハーヴェイとはすぐに合流できた。
彼は多くを語らなかったけど、一応目的があって別行動をとっていたらしい。


城の地下で出会った二人は気が付いたらいなくなっていた。
名前はなんといったか、鎌を持った女性となにかよくわからないことをしゃべっていた少女。
二人とも見た目と年齢が一致しないように思えたのだけど、僕の気のせいだったのだろうか？


彼女たちが何の目的を以てこの場所にいたのかはわからないが、
この先もう一度会えたのならお礼を言おうと思う、その時はあの鎌を持った女性に聞いておかなければならないこともあるしね。



鷸という男と会ったことがありませんか、と



彼女から感じた魔力は十中八九彼のそれだったと思う。
なにか彼につながる話や物を見せて貰うことができれば、僕旅も少し進むのかもしれない。


否定の世界では得られなかった小さな手がかり。
それと出会える確率はいったいどれほどのものだったのだろうか。
僕は神の存在を信じているが、人の想像や創造の中の様に全能で善意に満ちているものではないのだろう。
その流れ星のような気まぐれに僕の心は少し踊った。


止まっている時間も、過去も、追いかける意味があるのかもしれない。
目的を失ったことは無かったが、心が弾性を失っていたのはたしかだ。
ルークやハーヴェイとの旅もきっと一人でいることに飽きていたんだと思う。


この世界には僕の求めるものがあるのかもしれない。
次の世界では旅の終わりが見えるかもしれない。




叶わない夢を見ながら、僕は夢に堕ちていく

きょろきょろと、青年は周囲を見回すのであった。