そして、大礼拝堂へ。

大礼拝堂……かつての……本当に昔の私にとって、神とは戦いの勝利を祈願するものでした。大きな戦いにおいて、戦場は混沌の中の限りを尽くします。混沌の中、全く意識の外からの攻撃、予測不可能な事故、不運はどうしたってあります。祈ることは、その暗礁をどうにか取り除いてほしいと、そう願うこと……それ以外にはありませんでした。

やがて私が兵士でいることを止め、従者の衣装を纏った傀儡と化した頃……不出来で不揃いな人形であった頃……祈ることは、成就するはずのないものを要求することに他なりませんでした。あるいは、産まれ持ったこの身体への怒りをぶつけることに、他なりませんでした。

今の私にとっては……今の私は、何を祈る？

この戦いの行く末？

あるいはあいもかわらずありもしない願いを？