ここ最近で得られた魔力に関する知見を元に魔力の計測器を試作した。。
今のところ正確な数値を求めることはできず、魔力の有無、そして大小を計測するだけである。
これだけならば元の世界におけるウィジャ盤やダウジング棒と外面的には大差ないため、まだまだ改善の余地は大いに残っているが、ひとまずは大きな進歩と言えよう。

実際に使用してみたところ、普段から大きな魔力を発しているものはあまり多くなく、術の行使の前後のみ大きく観測される例が多い。
これは、静的な量を計測しているのではなく、変化量を計測していると考えるべきだろう。つまりいわゆる「魔力の高い」人物を見分けることはできないということだ。
また、ある二つの現象の正確な魔力比を算定し、それに基づいて数値化することも急ぐべきだろう。何となく大きい、小さいという定性的な観測ではなく、定量的な評価ができるようにしたいところだ。

解せぬ。と言いたげに、ぽつり呟いて。

足は引っ張らない、といつもの淡い表情で、ぺこりと頭を下げた。

こくこくと頷いて、質問を肯定します。

あくまで、推測ですけれど、と一言つけて。

離れる為に下がろうとして、踵を地面に引っ掛けた。
そのまま後ろに傾ぐ身体を、少年が慌てて引き寄せる。

反射的にしがみついた腕。至近で交わる翡翠と冬青。
彼らにとっては何気ないやりとり。
けれどそれはともすれば、熱い抱擁を交わしているように見えたかもしれない。

カカシの視線の先にいたのは、魔異と見知らぬ少女がキスしている……
ように見える場面だった。

ちえりの女子特有の勘が動き出す！
女子特有の勘によってちえりはカーキアスの魔異への想い、
実はカーキアスが少女の心（ハート）を持っていたこと、ついでに自分の果たすべき役割に気づいた！

ちえりは女子特有の勘で確信する。『波乱の気配』を。
奇しくも双方が邂逅した平原には、女性の方から告白して生まれたカップルは
永遠に幸せになれるという『伝説の木』があった……！