日記を書けない日が大分続いてしまった。
漸く落ち着いてペンをはしらせる事が出来そうなので、今のうちに書けるだけ書き留めておきたい。

これまで順調に進んできた旅だったけど、故郷に似た土地を抜けた先からは散々だった。
緑で満ちた森で、初めて歯が立たない相手と出会った。
命からがら、なんとかその場を逃げ延びはしたものの、森を抜けて逃げたその先の山岳では更に激しい戦いが待ち受けていた。
こちらの攻撃ではかすり傷にすらならず、そんな攻撃を嘲笑うかのように繰り出された相手の一撃は僕たちをあっという間に捻じ伏せた。
もう戦う気力も、逃げ出す体力も残されていない。
僕の旅はここで終わるのかと思った時、足元が崩れ落ち、僕とアリィは山肌を転げ落ちて宙へと放り出された。

次に気がつくと、僕は煌く小川の岸辺に横たわっていた。
傍には心配そうなアリィの姿があった。
恐らく彼女が僕を此処まで引っ張ってくれたのだろう。
流れ着いた荷物を集め、僕たちは岸辺で火を起こした。
その周りで服を乾かし、濡れそぼった僕たちも暖かな火の傍で身を寄せて身体を暖める。
毛皮の塗れたアリィの体は少しばかり震えていた。
寒かったのだろうか…可哀想な事をしてしまった。
僕がもっと強ければ、こんな事にはならなかったのに。
燃える炎を見つめていると、不意にアリィが頬をすり寄せ、「メェ」と小さく鳴いた。
思っている事が彼女にばれてしまったようだ。
僕は「ごめんね」と「ありがとう」を伝え、長く立派な首をしっかりと抱いた。

もっと強くならなくちゃいけない。
気持ちを新たに、僕たちはもう一度前へ進む事を決めた。

その道中、僕は何故か闘技大会へ出る事にもなったんだけど…それはまた次の機会に。
今日はもう眠


（日記はここで途切れている）

寄せられた頬にココリカは笑い、相棒の首を撫でた。

威嚇しているようだ。

勝利の雄叫びをあげている。

嬉しそうだ。

　　　△　　土　▲
　　（　?　皿　?）　　がしゃーん
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　／│　　塊　　│\　　　　　　　　　がしゃーん
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