連れ添い、セシルを探した。
その道中、戦闘の最中で。

その歌が、引き金をウィトサーレの喉元に突きつけた。
かの者の記憶を呼び起こし、血塗られた鉛の弾を撃ち込む結果になった。

気付かなかった罪。気付けなかった罪。

起きてしまったことは取り返しつかない。

セシルの記憶を、ウィトサーレの記憶を、レイは呼び起こしてしまった。


『"キミ"の罪は、自分の歌がどれだけ影響力のあるものなのかを
　理解しなかったことにある。』


苦しむウィトサーレが落ち着いた頃、闇豹から言われた言葉が、レイの心に突き刺さる。

自分は何をしていたのか。舞兎にも言われたではないか。
強力なものにはリスクが付き物だと。皮肉混じりに。

疑うことすらしなかった、己の力。
それが、周囲に災禍をもたらした。

それでも、闇豹はレイを排除しようとはしなかった。

『狂歌を捨てろとは言わない。口を閉じてろとも言わない。
　もっと上手い使い方を探しなさい。…これはお願いでも希望でもない。
　命令よ。自分がどれほどの力を持つのか、認識しなさい。』

何故？　疑問でしかなかった。
今まで排除され続けた。それが最早当たり前だと認識していたのに。

狂歌は紡ぐ、人々の繋がりを。

生まれを否定された子供の行く末を。

狂歌は紡ぐ、愛を求めて泣く幼子を。

それは呪縛のように、子供を苦しめる。

狂歌は紡ぐ、不幸をもたらすと言われた子供を。

歌の最後は　災後は　最期は・・・

不思議そうな顔をしている。

自前のギリースーツなんか作るからですよウィトサーレさん。
てか完成度高いですねウィトサーレさん。
でも何でそのまま普通に立ってるんですかウィトサーレさん。
逆に目立ってますよウィトサーレさん。

会心のドヤ顔ですねウィトサーレさん。