「・・・・・・痛い・・・」

全身が痛い。
喉もカラカラで、気だるい。
体中が土まみれで、外からは見えないがところどころ殴られた痕があった。
何より腰が、下半身に力が入らない。
気持ちが悪い。

耳を澄ませ、近くの水場へ這うように向かった。

水は嫌いだ。
それでも今は色々なものを流したかった。
ゴシゴシと赤くなるほど肌を洗い、冷たい水に潜る。
流れる涙を誤魔化す為に。
何度も浮かんだ顔にしがみつくように目を瞑る。

もしかしたら追いかけてきてくれないかと思ったりもした。
もう一度組もうと、もしかしたら赦してくれるんじゃないかと。
夢を見た。その罰なのかもしれない。

忘れよう。

想っていても辛いだけ。

本来の目的があったじゃないか。

あの子の仇を取るんだって。強くなるんだって。
可能性は低かったけど自分にはそれしかなかった。
それでしか生きれなかったじゃないか。

その頃に戻るだけ。

少し、他に生きる理由ができるかもなんて
思ったのが馬鹿だったんだ。

もう止めよう。

もう忘れよう。

でないと前に進めない。

ゴシゴシ、と目を擦るとまだ痛みの取れない体を叱咤し、水から上がった。
替えの服に着替え、今日はそのまま休むことにした。
進んでもこの痛みのある体ではまともに戦えない。

癒やしはもう、

無いのだから。














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〚もう気絶しちゃったのか？よわっちぃなぁ・・・〛

〚そういえばセシル、お前ソロじゃなかったんだって？〛

〚・・・困るなぁ、変な感情つけられると〛

〚ほら、これで徐々に忘れるさ〛

〚・・・くく、呪いにかかってることすら気づかないのに・・・
　解けるわけないよなぁ？〛