/*ENo.66古郡 祀さんの日記から続きます。*/

「私……どうして……？」

　私は今どうしているのか考えるが頭の中に靄がかかっているみたいで、思い出すことができなかった。
　ぼうっとした頭で私はそのまま横を見る。
　そこにはよく知った人物が寝息を立てているのが見えた。

「……あ……」

　そこでようやく私はどうしたのか徐々に頭の中に浮かび上がってきた。

「私達……また負けちゃったんですね……」

　一度口に出すとそのイメージははっきりとした物へと変わっていく。

「悔しい……」

　思い出せば出すほど、悔しさが募っておく、そして戦った敵のことが鮮明にイメージされていく。
　そして悔しさと同時に心の中で、何かもやもやとした物が浮かび上がって売るのを私は感じ取っていた。

「…………」

　私はそっとベッドから降りると隣で寝ている今回一緒に戦った中前あること祀の近くへと歩み寄っていた。
　そっと私は彼女の顔へと手のひらをｔかずけ、その白い肌に触れる。

「ルーシェちゃん？」

　その触れるか触れないかのところで、彼女はその瞳を開けて私に声をかけてきた。

「すいません、起こしちゃいましたか…？」

　私は謝るが、彼女はじっと私の事を見つめたまま何も言わなかった。
　先ほど戦っていたときに感じたもやもやを私は彼女の瞳に見つめられることで同じように感じていた。

　私達はそれからしばらくの間動くこともできず、お互いのことを見つめ合っていたが、その沈黙が破れたのは唐突だった。
　彼女がふと私の顔にその手を伸ばしてきたのだった。
　私の顔をその細い指が撫でることで私はその呪縛が解かれた。
　びくんと身体にはねたのを見て彼女は自分が何をしてるのだろうと我に返った様子だった。
　しばらく彼女はもごもごと口ごもっていたが、私に聞こえる声でこう話しかけてきた。

「実は今凄くお腹がすいているんだ、もし良かったら一緒に何か食べに行かない？」

　そう言って彼女は私に手を差し出した。
　その手を取るべきか私は少し迷ったが、彼女の手のひらに自分の手を重ねることでその問いに答えたのだった。

（文章はENo.66のPL様に執筆頂きました。感謝です。）

そっと抱き寄せなでなで。