○月○日
きょうから、にっきをつけはじめる。なんだかすべてのことをわすれられないから、かく。ほんはぼくのへやにあったから、だいじょうぶ。たぶん。きょうは、またおねえちゃんがすごいとりをとってきた。きょうのばんごはんきまり。
○月○日
かみのこってなあに。
○月○日
今日もみんなからほめられる日。でもぼくは何もしてない。お姉ちゃんはぼくよりもずっと強くて、いろんな物をとってきている。お姉ちゃんはいつもいろんな事を僕に教えてくれる。
○月○日
又しっぱいした。本当はこっそり熊をとって驚かせたかったけどだめだった。なんとか逃げ出した。しょうがないから魚をとった。今日の晩ご飯の一つ。
○月○日
初めて野生のエンブリオを見た。お母さんのエンブリオとお父さんのエンブリオは見たけど、野生のエンブリオは初めて。キラキラする光だった。話しかけたけどすこしチカチカするだけだった。
○月○日
お姉ちゃんも儀式をした。黒いのがとなりに増えた。お姉ちゃんの新しいエンブリオ。話しかけたけどそっぽ向かれた。
○月○日
そろそろ鍛冶を始める。本で読んだから大丈夫。多分。斧を作る。鉄も木も取って来たから明日から始められる。
○月○日
失敗した。煙だけだった。後変な塊出来た。ほんの通りにやった筈だけど何処かで間違えたみたいだ。家族は笑った。
○月○日
今日はあの儀式を行った。ネクター貰う儀式。村のみんな全て集まって村の子供が大人になる瞬間を見守った。村長がにくれるときはとても笑っていた。村長は来年から僕がネクターをあげる役をやりなさいと言っていた。僕は契約せずにネクターは仕舞った。
○月○日
お姉ちゃんは生きてた。村の人は何処にも居なかった。父と母は探しに行く気はなかった。
○月○日
僕は姉を抱えて隣の町まで行った。足は無かった。義足をつけた。動くはずなのに動かなかった。機械士は「あとは運と根気の問題」と言っていた。
○月○日
姉は空っぽになった。何を言っても反応しなくなった。色々言った。反応しなかった。僕は反応しない姉に勝手に言った「僕があの龍を倒してあげる」それだけ
○月○日
アスラがお姉ちゃんだった。アルサがお姉ちゃんだった。アスラは全てを忘れていた。僕が話しかけて無視された事も、アスラが人間だった頃も、全て忘れていた。お姉ちゃんが言ってた。お姉ちゃんは又消えた。
○月○日
アスラは目を覚まさない。何も食べた事は無いけど未だ目を覚まさない。お姉ちゃんも目を覚まさない。

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静寂が訪れた……。

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