「なくなった……ヴェルヴェットガーデンが、ですか？」
　レイスさんから告げられたその事実は、私たちにとってあまりに突然のものでした。
「私達の帰る場所が……じゃあ、レイスさんはこの後、どうなさるのですか？ 私は……」
　私は。どうしたいのか、胸にある答えをそのまま口にしました。
「人々を、救いたい……」
「心苦しい事ですが、だからと言って我々が動けないし活動ができないというわけでは無いですよ」
　レイスさんはそう言うと、いつもの様に微笑みました。
「お嬢様の事は引き続き私におまかせ下さい。名前はそのうち変わるでしょうが、我々で出来ることを続けましょう。あなたの力を必要とする人はまだ沢山居るのですから」
　その言葉が嬉しくて。レイスさんならそう言ってくれると信じていた私は。顔が自然と笑みを浮かべるのを感じました。
「レイスさんがそう仰ることはわかっていましたわ。私……レイスさんについていきます！」