【16日目/星屑の小川にて】
ムーニアたちはいつもの様に先を目指してみたものの、今日の相手は様子が違う。
たとえるならば、アニメ塗りのキャラクターの中に一人だけ劇画調の奴が混じっている、そんな違和感。

立ちはだかるエンブリオの中に、明らかに異彩のオーラを放つものがいる。
それに攻撃しようとした途端、妖精たちが次々と不調を訴えたのだ。

ムーニアの前にはブリギットが立ちはだかり、すっかり足止めをくってしまっている。

いよいよ絶体絶命といったところだ。

突如乱入してきた金髪の妖精（？）は、三日月形に炎を吹き上げるキセルを振り回しながら異形のエンブリオだったものへ吶喊する。
そのサイズに見合わぬ火力を放ちながら飛び回る姿は人魂を思わせる。
しかして火炎にあぶられた禍々しさを孕む黒いボディはぽろぽろと剥がれ落ちていき、
その様はまるで、怨霊が浄化されていくかのような光景であった。

異形のマスクへスッコーン！と小気味いい音を立ててキセルの先を叩きつける金髪妖精。
ヒビだらけになっていた表面が剥がれ落ちると、その下にはもとのフラウの姿が。

「フラウ？」改め「何かに憑かれていたフラウ」は開放されるやいなや倒れ伏し、
周囲のエンブリオたちも正気を取り戻した様子で、狐につままれたような顔をしている。

【16日目/その後】
消耗しきった一行と妙に自信たっぷりな金髪妖精（？）は一旦人気の少ないところまで逃げ延び、
うっかりはぐれたり別のルートのメンバーと合流したりもあったけれど、ようやく小休止。

ばびゅーん、と飛んで行く金髪妖精ことアミィさん。ずいぶん忙しい方のようだ。

とりあえずべーちゃんに静止されているちなさん

小さい瓶を持ってひょいひょいと近づいていく

うーちゃんが放電現象を発生させ、落雷のような轟音（と可愛らしいシャウト）が響く。
それに驚いたかのように、わらわらといくつかの影が飛び出してきた！