「…そうか。
多分な、嬢ちゃんは…長い事一人で居た所為で慣れちまって
誰かを傍に感じるって事を一時的に忘れてたんだろう」

「けどよ、そいつの意味はもう思い出しただろう？
一人が怖くなったってのは、そういうこった…だからこそもう平気、だろ？
嬢ちゃんの周りにいるのは俺だけじゃない、そいつがすぐにでも解るはずだからな」

「…俺はお前の父ちゃんじゃねぇよ。嬢ちゃんの父ちゃんは一人だけだ。
代わりにゃなれるかもしれねぇが…父親にはなれねぇんだ」

「だが、まぁ、その真似事ぐれぇならできっかもな？
こうして一人立ちできるようにしてやった事だしよ」

「…おう、行ってこい。あんまし道草喰ってると愛想尽かされちまうからな。
ああ、友達と合流するまでは気をつけろよ？面倒臭ぇのがウロウロしてっからな」