水辺での城攻めにも勝利したシュガーたちは、一路砂地へと向かった。砂地からは地下牢へと通じる道があるとの噂であり、城内へと侵入を図ろうという腹づもりであった。

ざくざくと礫の荒れ地を進んでいると、昨日の兵士たちの言葉が頭に思い浮かぶ。兵士たちから鬼畜よばわりされてしまったシュガーであったが、まあ、当たらずも遠からずだしな、などと妙に納得してしまうのであった。

もの思いに浸っていると、今日も今日とてシュガーの耳元に冥府からの声が聞こえてくる。とーとつに。

びっくりするだろ、と、内心シュガーはそう一人ごつ。冥府との会話をしばらく続け、ザクザクと礫の道を進み、耳元が静かになってきたと思ったら、今度はエンブリオのささやき声が聞こえてきた。物静かな女の子の声だ。

アニマの声であった。シュガーがメルンテーゼへ来た当初より契約を結んでいるエンブリオである。シュガーはアニマと共に戦いレベルを上げて行くにつれ、アニマの声も聞こえるようになってきたのであった。

怨霊や冥府よりの声に、さらにはエンブリオの声まで聞こえるようになったとすると、なかなか耳元が騒がしいことになりそうだな、と、シュガーは今からため息をつくのであった。

ハチェットのカバーを外す。硝子の青い目が揺れた。