兵舎での戦闘は、想像よりも早くに片が付いた。
アシェラッド、卯の花腐しの２人は冷静で、
どんな環境で生きてきたのかは解らないけれど、戦闘慣れしている様にみえる。
アルファの方も、普段通りの力を出せていたみたい。
２人にも興味のある様な素振りだし、時間さえあればもっと仲良くなってくれそうな気がする。

実際に歩いてみなければ解らないメルンテーゼの事を、２人は本当に良く知っていると思う。
今は、人狩りを警戒して目立たない様、２人とは少しだけ距離を置いて進んでいる。
これからの行き先がどうなるかは解らないけれど、どうか無事でいて欲しい。

アシェラッドが加工してくれるという「たくあん」を購入する事になった。
急激に多くの異世界人を招いた事への物資対策でしょうけれど、
あのお店では１日に３品までしか購入する事が出来ない。
アルファにも買い物をお願いする事になったので一緒に行こうと思ったのだけれど、

…コロの提案で、１人での買い物をお願いしてみる事にした。
万が一、アルファを１人で取り残してしまう事になったり…
そうでなくても、私が動けなくなってしまう様な事があれば、確かに今のままでは不安が残る。
何をしても説得は難しいでしょうけれど、
できるだけアルファの負担を減らすには、どうしたら良いかしら…。

木々の向こうから、手を振って駆け寄ってくる。