しんしんと降る雪の中で遊びまわっているすがたに、雪の色に混じり始めたタイガーはため息を付いた。
ユーチーは先程から止めるのも聞かずに降り積もった雪に足あと…
もとい顔あとを付けて遊んでいる。
よくはしゃぎにはしゃいだ犬などがやっている光景そのものである。
ジャンプしては顔を埋め、足を突っ込み形を見てはドヤァ(｀・ω・)+と言った様子だ。
よくまぁ長い時間外で遊んでいられるものだ。
体が冷えていたりシないのだろうか。
つい数日前まではじっと動かずにいたのに、雪が降った途端これである。
そもそも龍の体である彼は、自分などよりももしかしたら寒さに強いのかもしれない。

そろそろ避難しなければ、さすがに毛足が長く寒さに強いとはいえ、寒いものは寒い。
そう思い声をかけようとしたところで目の前が一瞬暗く、そしてより一層白く覆い尽くされた。

どさーっずざざーっ！というものすごい音付きで。

ふと見渡せば先ほどまでいたホワイトタイガーの姿が見当たらない。
もとより白く判別はしづらかったが、見えない程ではなかったはずだ。

心配症のホワイトタイガーならヒトコト言ってからいなくなると思うのだが…

バサーっという音と一緒にホワイトタイガーが飛び出てきた。
様子を見るに怒っているようだ。

休憩…遊ぶのはやめないのか、とため息が出る。

少し赤くなっているようなユーチーの手は、雪の中でだいぶ冷たくなっているのだろう。
行くまでに暖かくなってしまうのではないかなーと思いつつ、楽しそうなので止めるのも諦めることにした。
何にしても、風邪を引かなければいいのだが…。