「ヘイル、いいかしら？」
「お嬢様、どうかしましたか？」
取引した物を整理していたらお嬢様が声をかけてきた。手元に一枚の紙を持っている、何かしら？
「あなたというか……アズ宛かしら？まああなたであることは間違いないわ」
手元の紙を受け取り見る。なるほど、そういうことね
「あー……今回色々とやってたから、間違えたみたいですね」
「どうするのかしら？何かしら補填は大事よ」
「大丈夫ですよ。こう見えても商人の孫ですから。すぐに向こうと話をつけてきます。行き先は変更ですけどね」
「ま、好きにしなさい。後それ終わったらお茶とお茶菓子よろしく。二人を呼んでくるわ」
「はい、お任せください」
少しは気をつけてたんだけどな……取引が失敗したならフォローしなければならない、すぐに伝えに行かないと……

たった一度の短い間だけの面会でもこれくらいの評価を持つ……この世界唯一の王とは伊達では無いらしい……現王を除けば。

召喚術が無い訳じゃないがさすがに守護者を召喚したお話は見たことがない……最も、会ったことがあるお話ならあったりするが。

道具を使う事がとっても苦手なシャーベットです。

笑顔を崩さないがその言葉には少しの間があった。

道をゆく小さな女の子と亜人の少女を見つめる青い瞳があった
木々の隙間から突き刺さる視線は二人の様子をじっくりと値踏みする

物騒なつぶやきが聞こえるか聞こえないかの距離
アラビアンナイツの団長は二人の旅人を見定めていた