【畑羅木　卓内（はたらき　たくない）】


　ニートなチェリボーイ。28歳……と本人は思っていたが実は37歳だった。9年間の記憶は失われている。
　最近そのことに気づき、「あ、ありのまま今起こったことを話すぜ。俺は30前でまだやれると思っていたが、実はとっく40前だった」と内心ショックを受けている。
「年齢的に、自分に残されたチャンスは今回が最後だろう」という思いが彼を包んでおり、また彼が残していた人間らしい道徳観がほぼ失われてたため、成功のためなら手段を選ばない気持ちがますます強くなっている。

　社長にとっての成功は『他者が踏みつぶせないほどの力を持つこと』である。社長にとっての力とは金（PS)である。
　一揆終了後はエンブリオの力を失うことが確定。「自分からエンブリオの能力を失えば何もない人生が詰んでるおっさんだ」と正しく認識している。そうなる前に、この一揆中にPSを稼げるだけ稼いで、それを元手に企業。事業を成功させ、さらに金を増やし、誰にも踏みつぶせないほどの立場を得る、という『自称社長から本当の社長』になるのが彼の目標。

　彼のエンディングは、一揆終了時までに彼の所持しているPSの多さによって変化する。その額は『10万PS』。それ未満のPSは、彼にとってろくでもない未来が待っていないことは容易に予想される。

　童貞の歩む道程は、どのような結末を結ぶのか。それは神すらも分からない。