大勢で行くと相手の数が増える、って言うのは結構法則があるみたいです。
それを利用して、沢山の人で目当てのエンブリオを狙うんだとか。

あたしは今のところ自分が欲しいな、って思ったのは大体見てますけど、
シセさんはあんまり見れてないみたいです。

色々教えてもらうお手伝い、ってわけでもないですけど。

他の人の戦い方を近くで見たほうが良い、って言われてますから。

魔法みたいなもの、あたしは殆ど見れてないですから。

だから、今日はお手伝いの日なのです。
うっかり、やりすぎないように注意しないと、ですね。

頑張りすぎて人のを見れないなんて本末転倒ですもん。
でも、誰に注意して見ればいいんでしょうか。
やっぱり、あたしに軍師は難しいのかもです。

くるくる動く彼女の表情と仕草に驚きつつ私は答えた。

私は自分が名乗ってないことを思い出し慌てて自己紹介をした。

　　クロエはリコリスが腕にしがみついたのを見ると、綿毛に少し力を入れる。

　すると、ゆっくりと浮かび上がり……

　　クロエがそう宣言すると、綿毛は一気に速度を増し上空へと飛んで行く。

　どんな原理かは不明だが、風の影響等はないようだ。

　　目の前には、まるで神殿のような立派な建物がある。

　このまま入って行ってもいいし、Uターンして帰ってもいい。

わたわたしながらも、なんとか、平静を取り戻す。
ちょっとやる気だしてるのはさて、どんな心境の表れか……