■花屋敷：奥座敷にて

「いいかい、サクロの…」
「いいかい、サクロ…」
「あーもう！　どいつもこいつも何度もなんべんもやかましなー！　外で粗相するな人前でもぐもぐすんな、死んでもエエから役に立てだの何だのて、耳からタコ量産したろかー！」
「…それは、医者にかかった方がよいのでないか？」
「比喩やー！！」


■平原：広庭

　そんなこんなで、外の狩りに参加することと相成って。
　何だか謎めいてそうな金髪の御嬢さんに、気心よさそうな青年が協力者やった。
「まぁ、3人でも何とでもなるか…」
　さほど手厳しい敵が出てくるエリアでもない、のんきな気持ちでいる。
　さきほどから視界にちょろちょろと雀が飛び跳ねているのが、何とも穏やかな風景に遊びを添えていて微笑ましい。
　…まぁ、誰一人も、雀一羽たりとも、普通、でないのは承知である。
「どんなもんか、楽しみやなぁ…」
　この、広々とした平原のせいばかりでもない、口やかましさからの解放感を一日堪能しきるとしよう、うむ。

メンバーを見渡し

目の前の相手を殺意の滲む視線で睨みつける。

なにかをつついている。

足をトントンとさせながら