山岳と平原とを渡り歩く日々が続いたかと思えば、一転今度の進む先は陽の光が差し込まない地下へと先導されていく。
　暗闇の中、歩むのに照明が必要かとピクシーのグラナやサラマンダーのルイに待機してもらっていたが、予想に反して地下には天井からランタンと思しき照明が一定の間隔で設置されており、通路を歩く分には差し障りない環境であった。
　多少光源が届かない所もあったが、その多くは牢の奥の事であり、雰囲気から察するに深入りしてはいけないとも察した銀髪の少女は好奇心は刺激されたものの、先行する男と白狼とに置いていかれぬよう今日もまた少し後ろを離れてついていくという、場所は変われどもいつもの光景が展開することとなった。

　そんな緊張感の薄い女性陣の上をグラナとルイが周りを警戒するように漂う一方、サンダーバードのエポワスは狭い中を変わることなくマイペースに今日も今日とて滑空している。それに触発されたのか、小竜のスティルトンもまた負けじと飛ぼうとするのだが、如何せん彼の場合はエポワスと違って身体の大きさが違うため、思うように飛翔できずトボトボと歩く羽目に陥り、それを慰めるようにザントマンのカンタルが励ますという構図が出来上がっていた。

　ふと、生家の事を振り返ってみれば、詰める人の数は多く居たものの、こうやってワイワイと雑談に興じる機会というのは少なかった。それもそのはず、毎日が勉学に励んだり母親の補佐をしたりする事が多かったからであるのだが、不意に父親がある時零した一言を偶然にも思い出してしまった。

　答えを探して歩きながらも思考を巡らせている…これもエンブリオと契約してから多くなったような気がして顔を上げると、不意に光と炎の点滅が視界の端に飛び込んできた。

　負けじと先行する男の元へと駆けつけてみると、前を立ちはだかっているのは兵士と思しき女性と、スティルトンの身体を一回りも二回りも大きくしたような竜の姿がそこにはあった。
　そんな相手を前にして奮い立ったのはスティルトンであり、そして男もまた同様だった。いつにもまして鋭い鞭捌きや炎を前に敵も屈するしかなかったのは自明の理だったのかも知れない。

　一礼する相手の様子に昔日の自分の姿を垣間見たような気がして、握手を求める少女の姿がそこにはあった。。。

そういって少し間をあけて

　　　△　　土　▲
　　（　㊤　皿　㊤）　　がしゃーん
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　／│　　塊　　│＼　　　　　　　　　がしゃーん
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