カカシさんと別れ、先に行ってしまったさやとも別れ。
　別行動をとってた見慣れたカカシ——千巌を呼び出して。


　大部屋の前。


　ブラウニーが言ってた“おうさまに会う前にあったほうがいい”人がいる、そんな場所。

　大きな扉を開けると、見上げるくらいに大きなひらひらした綺麗な布。
　それに覆われた——あれは寝るところなのかな……？　とにかく、白くて、ごうかな場所。
　間違いなく、ボクには縁が遠い場所。


　ピシッとした２人が槍を構えると、横になってたおんなのこが起きる。
「やめなさい、ロメオ、ジュリエッタ」
「し、しかし……オリヴィア姫！！」
「争う相手ではありません」


　……姫？


　あれ、今、姫って……。
　おうさまの子どもの女の子、だっけ……？

　あれ？
　まあ、うん、でも、争う相手じゃないのは実際、かなあ……？


　そんなことを考えてると、オリヴィアと呼ばれたおんなのこがこちらを見る。
「……見定めるべき、相手です」
　その子がそう口にすると、いきなり真っ白な女性が現れ槍を構え——って。


　ぇ”


「力を持つべきか、否かを——」


　前にいる千巌はスッゴイ嬉しそうに、槍をふるって身構え、てる、けど……？！


　なんだか。
　はなす、どころじゃ、なくなりまし、た。

そう言って、右腰に差している杖を指さす。

杖の宝石が輝いて、何らかの意志を発しているようだ。
その意志はロッテには届いているようだが、果たして……。

　　　　　　　《鎖》

　《鈴蘭》　《太陽》　　《月》

　　　　　　 《枯蔦》
　

シャリン——、シャリン——
　どこからともなく音がする。

　　　シャリン——、シャリン——
　　　　それは、だんだん近づいてきている、そんな気がする。