『神の笛』
毎日の暮らしに退屈していた少年は、とうとう家を出た。
何にも替えがたい自分だけの素敵な宝物を探しに。
道に迷った彼は、小さな妖精から、神の笛をもらう。
神の笛は、真実の宝物を前にするとひとりでに音を鳴らすという。
少年はそれを手に、様々な場所を訪れ、色々な出会いを経験する。

今日はどんな国へ行くのだろう。今日はどんな人に会うのだろう。
しかし、笛は一向に鳴らない。

やがて彼は諦めることを知り、元の家へ帰った。

（初期エピローグ）
家では父と母が温かく迎えてくれた。
すると、神の笛は幸せの音を奏でたのだった。
日々の幸せに、少年はずっと気がつくことがなかった。
神の笛は、それを教えてくれた。

（後期エピローグ）
少年は旅の思い出を振り返り、神の笛を手にした。
すると、神の笛は幸せの音を奏でた。
彼の旅の思い出こそが、素晴らしい宝だったのだ。

いつからそこに居たのか。
少々不思議なカタチをした少女が、音もなく立っていた。

リチュエルはジーヴの背中に「」と書いた

ジーヴの顔を見るなり、鳴子は盛大にため息をついた。
ため息の心当たりが多すぎるジーヴは、急いで謝ろうとしたが、指先で口を封じられた。