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セツカ・F・フラムラージュ
レイヤからの依頼と半ば自発的に今回、深雪・ユカラ・マグノリア達の護衛をデート（？）の邪魔にならない遠方からする羽目になった。
のだが、なんか上司の娘が黄金の門からでっかくなって出て来てそれどころではなくなった。

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「ポチー！セツカー！まだー！」

何時の間にか水着に着替えた金髪巻き毛の16歳ぐらいのスタイルの良い少女が砂浜で手を振っている。

…なんか現実逃避に説明くさくなったが、アレはやっぱりというかなんというか。

ジェイド王国の国王の娘であるエキュパージュ様と自分の上司である王国騎士団の団長、アラン・クレイドの一人娘…エレン・クレイドで間違いないそうだ。

だた、自分が知っているエレン・クレイドはまだまだ小学生低学年ぐらいの年齢だったはずなのだ。

なのに、いま、目の前でポチ…と呼ばれる男性に抱きかかえられてそのまま海に一緒に飛び込んでキャーキャー言っている少女は明らかに自分が知っている少女よりは成長している。

一応、説明としては黄金の門…と呼ばれる幾つかの次元やら空間やらと繋がっている門からジェイド王国へ帰ろうとしたのがが…なんか事故ってここに飛ばされて来たらしい。

事故った割にはお気楽に近くにあった海で遊んでるな、おい。


ちなみに、時間がたてばまた近くに黄金の門が開くらしくそれまで遊ぶ、との事。

ユカラ達の護衛もやりつつなのだが、未来とは言え国王の孫娘をほうっておくわけにもいかず…。

なんか深雪がナンパとかされてたが深雪だしまあ、いいか…とする—しておいた。ユカラが助けに入ったみたいだいし。


「で、セツカはWデートの護衛してるんだ？セツカも混じればいいのにデートに。」

ひとしきり海で遊んだ後、今度は今の俺に興味津津らしく色々聞いてきている。
ユカラ達の事も知っているので、説明を省く事はできたが・・・。

「私が混じったら完全に保護者付きになって楽しめなくなるじゃないですか。それに、デートする相手もいないですし…。」

フィーの事を思いだして、少しだけ苦い顔をする。

「ふーん…。そっかぁ。セツカは独身なんだー。」

そのさもこれぐらいの年齢は結婚してるみたいに言うのはやめてください。

何やらエレンが考えこんでいると、ポチと呼ばれている男性。
…なんか、自分の父親にそっくりな男性がポチと呼ばれているのは複雑極まりないが。

が、エレンに話しかけて来た。

「ご主人、そろそろ門が開くから帰ろう。」

「あ、もう開いちゃうんだ。ざーんねん。」

すくっとエレンが立ちあがり、こちらに向かってお礼を言ってくる。

「セツカ、ありがとね。遊ぶのに付き合って貰って。」

「いえ、いいですけどね。」

すると、目の前に黄金に輝く門が再びパッと現れる。
…どういう原理なのかはよくわからないが。

「それじゃねー！セツカー！」

こっちに手をひらひら振りながら門の向うへ消え…る前に再びこちらの方へ向き。

「セツカー！大丈夫だよー！！今は独身でも、ちゃんと結婚して美人の奥さん、居るからねー！」


そう叫んで、エレンとポチは消えて行った。


とりあえず未来の俺は、結婚して美人の奥さんがいるらしい。


「それが、フィーなら良いんだけどな。」

だが、今の自分がフィー以外を選ぶわけはなく、それならフィーである可能性も高いわけだ。
少し、希望が沸いて来た。

「…頑張りるよ、フィー。だから、もう少し待っててくれ…。」

改めてフィーを助ける決意を固めるのだった。

ところで、マグノリアに懐いてた蝶がひらひら戻ってきたんだが何処行ってたんだ？こいつ。


…あと、エレンはあのポチと言うのとお付き合いしているという爆弾情報はその時になるまでアラン団長には言わないでおこうと思いました。

（ハンカチで鼻を啜る）